八代妙見祭(読み)やつしろみょうけんさい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八代妙見祭」の意味・わかりやすい解説

八代妙見祭
やつしろみょうけんさい

熊本県八代市の八代神社(妙見宮)の例祭。毎年 11月22,23日に行なわれる。22日の午後,八代神社から神輿御旅所である塩屋八幡宮に渡御するお下りがあり,23日朝,神輿が八代神社に帰るお上りの行列が御旅所を出発する。このお上りが中心行事で,先導に元禄年間(1688~1704)に始められたといわれる雄獅子と雌獅子,次いで宝暦2(1752)年に加わったとされる挟箱を担いだ花奴,江戸時代には七五三を迎えた商家の子供が務めたというウマのつくりものを腰に着けた木馬(きんま),楼閣型の台車菊慈童の人形を載せた宮之町の笠鉾などが続く。神輿のあとにも,本町の本町蕪(ほんちょうかぶ),二ノ町の蘇鉄(そてつ),通町の西王母(せいおうぼ)など 8台の笠鉾が引かれ,そのあとに,ガメとも呼ばれる亀蛇(きだ)のつくりものが担がれる。亀蛇は,八代神社の祭神が乗って来たと伝わるもので,カメの胴にヘビの頭をもつ。最後尾には,かつては八代城内から 12頭出されていた飾馬(花馬)が引かれる。神幸行列は昼前に神社に到着したあと,砥崎の河原に進み,そこで夕刻まで花奴,木馬,亀蛇,飾馬の演舞が行なわれる。雌雄の獅子と神馬,神輿は,1922年に塩屋八幡宮が御旅所になる以前に御旅所であった中宮に向かったあと還御する。午後8時から本町札の辻で獅子舞が行なわれる。2011年に「八代妙見祭の神幸行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。

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