公益法人の認定制度とその事業の適正な実施を確保するための措置などを定めた法律。公益を認定する行政庁、公益認定の基準、欠格事由、公益認定の申請手続、公益法人の事業活動、公益法人の監督などについて規定が置かれている。正式名称は「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(平成18年法律第49号)で、「公益法人法」とも略称される。一般法人法(正式名称は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」)などとともに、2008年(平成20)12月1日に施行された。
2006年改正以前の民法による公益法人制度では、主務官庁の許可が必要とされるため法人の設立が容易でなく、また公益性の判断基準も不明確であるなどの問題点が指摘されていた。そのため、法人格の取得と公益性の判断を分離し、一般法人法の制定により法人の設立を容易にする一方で、本法の制定により公益認定を厳格化するなどの改革が行われた。
本法によれば、公益認定を得るためには、公益目的事業を行うことを主たる目的とし(公益法人認定法2条4号、5条1号)、かつ公益認定の基準(同法5条)に適合しなければならない。公益目的事業とは、学術、技芸、慈善その他の公益に関する同法別表各号に掲げる種類の事業(法で定められている22種類の事業と政令で定められる事業の計23種類があげられている)であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう(同法2条4号および同法別表)。公益認定基準としては、たとえば、公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有すること(同法5条2号)、その事業を行うにあたり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないこと(同法5条3号)、公益認定申請時に公益目的事業の比率の見込みが50%以上であること(同法5条1号、8号)など、詳細な基準が定められており、さらに、内閣府からは、ガイドライン「公益認定等に関する運用について」が公表されている。
[淡路剛久]
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