コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

兵器拡散 へいきかくさんproliferation of weapons

知恵蔵の解説

兵器拡散

かつて大国が独占していた核兵器、化学兵器、生物兵器、長中距離ミサイルなどの大量殺りく兵器(weapons of mass destruction)を、中小国や武装集団が保有、生産するようになる動きとその過程。拡散の阻止は米国にとって、冷戦後の安全保障の最重要課題。阻止の方法としては、(1)条約の強化。核拡散防止条約、包括的核実験禁止条約(CTBT)、化学兵器禁止条約、生物兵器禁止条約など。(2)先進工業国の共同輸出規制。ミサイル関連技術、化学・生物兵器の原材料や製造設備、通常兵器の関連機資材の輸出規制など。(3)軍事的阻止。例えば、完成直前の核関連施設・化学兵器施設などの軍事的破壊。(4)国際社会における政治、外交的対応、など。しかしそれらはインド、パキスタンの核実験などに直面し破綻した。兵器拡散の要因は、(1)非先端的な武器の拡散、(2)世界市場における武器情報、製造情報の商品化、(3)技術者の国際移動、(4)拡散阻止のための諸条約が、正当性、検証の実効性などで問題が多い、など。半面、人々の意識は変化し、核兵器は「使用や威嚇が、国際法や人道に関する諸原則に反する」(国際司法裁判所)と判断され、核実験や核保有自体が法的・道義的に問題視されている。このように一方で大量殺りく兵器を否定する意識が高まり、他方でその拡散防止の枠組みが破綻する狭間で、兵器拡散は国際政治の重大な関心事である。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

兵器拡散の関連キーワードストックホルム国際平和研究所大量破壊兵器拡散対抗構想ミサイル関連技術輸出規制弾道ミサイル防衛核兵器不拡散条約平和利用核爆発核不拡散条約大量破壊兵器拡散対抗構想ミサイル防衛拡散対抗措置終末時計MTCR軍需産業CPI軍縮

今日のキーワード

だまし面接

企業が面談や懇談会と称して就職活動中の学生を呼び出し、実質的には学生を選考する偽装面接のこと。2016年卒業の大学生に対する選考活動の開始時期を、従来の4月1日から8月1日以降へと後ろ倒しする主旨の「...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

兵器拡散の関連情報