典座(読み)テンゾ

デジタル大辞泉 「典座」の意味・読み・例文・類語

てん‐ぞ【典座】

《「ぞ(座)」は唐音禅宗寺院で、大衆の斎飯などの食事をつかさどる役職もと床座衣服などをつかさどった。六知事の一。

てん‐ざ【典座】

てんぞ(典座)

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精選版 日本国語大辞典 「典座」の意味・読み・例文・類語

てん‐ぞ【典座】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ぞ」は「座」の唐宋音 ) 仏語。六知事の一つ禅寺衆僧の食事をつかさどる役。もとは衆僧の床座をつかさどった。てんざ。
    1. [初出の実例]「夾山の典座に開発せられて大悟せり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)梅華)
    2. [その他の文献]〔禅苑清規‐四・東序知事〕

てん‐ざ【典座】

  1. 〘 名詞 〙てんぞ(典座)
    1. [初出の実例]「其夜同じく典座(テンザ)をおびやかすに」(出典詩文の感応力(1889)〈内田魯庵〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「典座」の意味・わかりやすい解説

典座
てんぞ

禅宗用語。禅林において座具炊飯料理を司る僧侶の役職名。重要な役なので高潔の僧が選ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の典座の言及

【荘主】より

…すなわち禅院内を教学方面の西班と経済関係の東班に分かち,寺院の経理や荘園経営は東班の禅僧に行わせた。東班の最高位を都聞(つうぶん)または都官と呼び,その下に都寺(つうす),監寺(かんす),副寺(ふうす),維那(いのう),典座(てんぞ),直歳(しつすい)の六知事を置いて,これらの禅僧を東班衆と総称した。中国では副寺の下に現地の経営者である荘主がおり,荘主もまた都荘と副荘に分かれ,その下に諸荘監収がおり,甲幹荘甲(日本の名主に相当)を支配し,最下層に耕作民たる佃戸(でんこ)が位置した。…

※「典座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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