再帰動詞(読み)サイキドウシ(その他表記)reflexive verb

デジタル大辞泉 「再帰動詞」の意味・読み・例文・類語

さいき‐どうし【再帰動詞】

ヨーロッパ諸語の文法で、目的語として再帰代名詞をとる動詞フランス語のse lever(起きる)、ドイツ語のsich freuen(喜ぶ)などの類。

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精選版 日本国語大辞典 「再帰動詞」の意味・読み・例文・類語

さいき‐どうし【再帰動詞】

  1. 〘 名詞 〙 動詞分類の一つ。ヨーロッパ語などで、目的語として再帰代名詞をとる他動詞。フランス語の se mouvoir (動く)、se lever (起きる)の類。日本文法で、本来他動詞であるが、目的語を伴わないで、自動詞として用いられる「花が開く」「潮がひく」の「開く」「ひく」などをいうこともある。代名動詞。
    1. [初出の実例]「自動詞と他動詞との中間に立つ再帰動詞といふものあり」(出典:日本文法論(1902‐08)〈山田孝雄〉一)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「再帰動詞」の意味・わかりやすい解説

再帰動詞
さいきどうし
reflexive verb

英語の hide oneself (隠れる) の hideのように,「自己を,自己に」の意味の代名詞を目的語とする動詞のこと。またこの代名詞を再帰代名詞という。自分を対象とする動作を表わすことが多いが,フランス語 se quitter (別れる) のように相互関係を表わすもの,タタール語の kijen- (衣服を着た状態になる。-(e)nは再帰接尾辞) ,kij- (〈何かを〉着る,はく,かぶる) ,kijender- (〈子供など〉に着物を着せる) のように自分の体またはその一部の全体に及ぶ動作を表わすもの,タタール語のsøjlæn- (ひとり言を言う) のように相手を対象としない動作,フランス語s'écrier (叫ぶ) のように慣用的に再帰目的語をとるだけのものもある。再帰代名詞は,英語 (-self) のようにすべての人称についてあることも,フランス語 (se) やドイツ語 (sich) のように三人称についてだけあり,一,二人称では人称代名詞をそのまま用いることもある。

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百科事典マイペディア 「再帰動詞」の意味・わかりやすい解説

再帰動詞【さいきどうし】

主語の行う動作が再び主語に戻ってくる動詞。一般に近代印欧語では,他動詞が再帰代名詞を伴うと全体として自動詞の意味になる。たとえばドイツ語のsetzen(おく)→sich setzen(すわる)。またトルコ語などのように,接辞によって他動詞から再帰動詞への派生法が発達している言語もある。

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