デジタル大辞泉
「冷冷」の意味・読み・例文・類語
れい‐れい【冷冷】
[ト・タル][文][形動タリ]
1 ひえびえとしているさま。清らかで冷たいさま。
「―たる頑鉄塊、炎々たる大猛火」〈露伴・寝耳鉄砲〉
2 心・態度のひややかなさま。
「―黙過する訳に行かん事だと」〈漱石・吾輩は猫である〉
3 清らかな音の響き渡るさま。
「管弦ノ声―タリ」〈日葡〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
れい‐れい【冷冷】
〘形動タリ〙
① つめたいさま。ひえびえとしているさま。また、清らかで涼しげなさま。
※懐風藻(751)初春在竹渓山寺於長王宅宴追致辞〈釈道慈〉「桃花雪冷冷、竹渓山冲冲」
※
太平記(14C後)二六「膚
(はだへ)窳
(くぼみ)無くして、磨くに光冷
(レイ)冷たり」 〔
楚辞‐七諫・初放〕
② 清らかな音の響き渡るさま。音声のさえわたるさま。
※
経国集(827)一・重陽節神泉苑賦秋可哀〈
嵯峨天皇〉「到
レ暁城辺誰擣
レ衣、冷々夜響去来飛」
※和漢朗詠(1018頃)下「第三第四の絃は冷々たり 夜の鶴子を憶うて籠の中に鳴く〈白居易〉」 〔陸機‐
文賦〕
③ 心のひややかなさま。情熱のないさま。また、
人情に欠けるさま。冷然。
※コンテムツスムンヂ(捨世録)(1596)一「モエタツ ココロモ ナキ ユエニ、ココロモ ヌルク reirei(レイレイ) トシテ イル モノ ナリ」
ひえ‐びえ【冷冷】
① 風や
空気などの冷たく肌にしみるさまを表わす語。
※両足院本山谷抄(1500頃)七「簟をしけばひえひえとして
寒江の波の上にいた様で、へこらへぬぞ」
② むなしくさびしいさまを表わす語。
ひや‐ひや【冷冷】
〘副〙
① (多く「と」を伴って用いる) 肌(はだ)に冷たく感じるさまを表わす語。《季・秋》
② 悪いこと、危険なことが起きはしないかと心配して気をもむさまを表わす語。
※
談義本・当風辻談義(1753)五「大六天の魔王殿が、見入れやらねばよいがよいがと、冷々
(ヒヤヒヤ)する」
ひえびえ‐し・い【冷冷】
〘形口〙 ひえびえ
し 〘形
シク〙 たいそう冷えている。とても寒い。
※浮世草子・珍術罌粟散国(1775)三「けふはことのふひへびへしければ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「冷冷」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報