凍石(読み)とうせき(英語表記)steatite

精選版 日本国語大辞典 「凍石」の意味・読み・例文・類語

とう‐せき【凍石】

〘名〙 微粒滑石集合体。灰・淡緑色などで緻密。ふつう塊状蛇紋岩雲母片岩中に産する。減磨剤、彫刻などに用いる。
春城随筆(1926)〈市島春城〉趣味談叢「蝋石や凍石、稀れには鶏血石黄蝋などで作ったものがある」 〔英和和英地学字彙(1914)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「凍石」の意味・わかりやすい解説

凍石
とうせき
steatite

滑石一種で俗名石鹸石 soap stone。凍ったような青緑色の色彩をもつ軟らかい美玉。ステアタイト磁器の原料や紙,織物の目地の充填剤に使用する。メソポタミアの円筒形印章,エジプトスカラベ中国彫像の素材としても使われていた。蛇紋石や雲母片岩などに含まれる。

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岩石学辞典 「凍石」の解説

凍石

(1) 塊状の滑石に富む岩石.緻密質な滑石で,蝋石または石筆石と呼ばれることが多い.石鹸石(soapstone)はこの一種.蛇紋岩または雲母片岩などの中に産出.(2) 高周波絶縁材料に用いられるステアタイトはMg-橄欖(かんらん)石~Mg-輝石系の成分の焼結体で人工的に合成した材料.

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