出る杭は打たれる(読み)でるくいはうたれる

ことわざを知る辞典「出る杭は打たれる」の解説

出る杭は打たれる

才覚をあらわすは妬まれ、妨げられることのたとえ。また、出過ぎたふるまいをすると憎まれることのたとえ。

[使用例] 警察学校をトップで卒業し、その後の巡査部長・警部補・警部の任官試験においてもスピード出世をなしとげた。〈略〉出るは打たれるのか。掛川の署長をしているとき〈略〉中傷する投書があった。投書の宛先は人事に関与する「警務部長」であり、監察官も調査に乗りだしたらしい[加藤仁*夢ある定年|1990]

[使用例] 出れば、最初のうちは打たれます。〈略〉出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれようがない。つまり、あいつは出るべくして出た杭なのだ、自分よりワンランク上の奴なのだから、嫉妬なんかしたら自分がみっともないと、まわりを諦めさせてしまうのです[堀場雅夫*出る杭になれ!|1997]

[解説] 杭を地面に打ちこんで並べるとき、高すぎるものは頭をたたいて他とそろえます。「杭」は「」ともいい、釘も頭が出ていると危ないので、打たれます。しかし、こうした光景のイメージから、才覚をあらわし自己主張する者がたたかれることを事実上容認する表現が生まれたのは、日本だけのようです。その背景には、他に右ならえし、目立つことを避ける閉鎖的な日本社会の伝統的な価値観があったといえるでしょう。現在でも社会の底流には、こうした風潮が根強く残っていることは否めません。
 とはいえ、国際化の中でこうした価値観は疑問視され、ことわざも否定的に引かれることが多くなり、逆に「出る杭を伸ばせ」や「出る杭になれ」とする表現も目につくようになっています。

[類句] 高木は風に折らる

〔中国〕官大有険、樹大招風(官位が高いと危険をはらみ、木が大きいと風当たりが強い)

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

デジタル大辞泉「出る杭は打たれる」の解説

出(で)る杭(くい)は打(う)たれる

《「出る釘は打たれる」とも》
才能・手腕があってぬきんでている人は、とかく人から憎まれる。
さし出たことをする者は、人から非難され、制裁を受ける。
[補説]文化庁が発表した平成18年度「国語に関する世論調査」では、「出るは打たれる」を使う人が73.1パーセント、「出るは打たれる」を使う人が19.0パーセントという結果が出ている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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