出師の表(読み)スイシノヒョウ

デジタル大辞泉 「出師の表」の意味・読み・例文・類語

すいし‐の‐ひょう〔‐ヘウ〕【出師の表】

中国三国時代蜀漢の丞相諸葛亮しょかつりょうが、昭烈帝劉備)の没後出陣にあたって後主劉禅に奉った前後2回の上奏文。誠忠と憂国至情にあふれた名文として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「出師の表」の意味・読み・例文・類語

すいし【出師】 の 表(ひょう)

  1. 中国、三国蜀の宰相諸葛亮(字(あざな)孔明)が先主劉備の死後、出陣するにあたって後主に奉った憂国の至情にあふれた文。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「出師の表」の意味・わかりやすい解説

出師の表
すいしのひょう

中国、三国蜀(しょく)の丞相(じょうしょう)、諸葛亮(しょかつりょう)(字(あざな)は孔明(こうめい)、181―234)の上奏文。蜀の先主(劉備(りゅうび))の没後、その遺詔により幼少の後主(こうしゅ)(劉禅(りゅうぜん))を託された彼が、227年(建興5)魏(ぎ)を伐(う)つために軍を率いて漢中陝西(せんせい)省)から出発する際に、後主に奉じたもの。国の将来を案じて賢者を登用し諫言(かんげん)を聞き、先主の遺徳を高めるように説いた忠誠心あふれる名文。『文選(もんぜん)』巻37に収める。なお、翌年にも上奏文があり、「後出師の表」といって区別する。

[根岸政子]

『『出師表』(小尾郊一著『全釈漢文大系30 文選5』所収・1975・集英社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「出師の表」の解説

出師の表
すいしのひょう

三国時代の蜀 (しよく) の宰相諸葛亮 (しよかつりよう) が劉備 (りゆうび) の死後,魏の討伐に出陣する際,幼主の劉禅 (りゆうぜん) にたてまつった上奏文
227年のものが翌年の「後出師の表」より有名で,自己の忠誠心を吐露した名文。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

とっさの日本語便利帳 「出師の表」の解説

出師の表

漢中攻めに立つ「危急存亡の秋」に際して、孔明が皇帝・劉禅に残した出陣の上奏文(表)。その中で先主劉備の三顧に報いる覚悟を述べる。のちに再度、漢中に赴く時の「後出師の表」がある。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android