出来物（読み）デキモノ

デジタル大辞泉

でき‐もの【出来物】

１ 吹き出物。おでき。
２ 「できぶつ」に同じ。
「近きころの遊君の―ぢゃ」〈仮・東海道名所記・二〉

でけ‐もの【出^▽来物】

すぐれた作品。また、すぐれた人物。できもの。
「山本文右衛門が筆勢、大きに―と沙汰しければ」〈浮・織留・四〉

でき‐ぶつ【出来物】

人格・才能のすぐれた人物。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

でき‐もの【出来物】

1. 〘 名詞 〙
2. ① からだにできたはれもの。ふきでもの。腫物(しゅもつ)。おでき。
   1. [初出の実例]「たけためして御てき物みせらるる」(出典：御湯殿上日記‐文明一三年（1481）八月一四日)
   2. 「お目のうへの出来(テキ)物、ちいさいとて其儘おかんすがわるいと」(出典：浮世草子・好色二代男（1684）一)
3. ② 立派にできたもの。すぐれたもの。
   1. [初出の実例]「其土の様子と其土のてきものの様子とかかはるぞ」(出典：史記抄（1477）三)
   2. 「山寺の春の夕めしおそければ、入あひ鐘に腹ぞへりけるとよみます、是は出来(デキ)物と讚れば」(出典：浮世草子・好色旅日記（1687）三)
4. ③ すぐれた人物。人柄のよくできた人物。できぶつ。
   1. [初出の実例]「とら御前ほどにこそはなくとも、近きころの遊君の出来物(デキモノ)ぢゃ」(出典：仮名草子・東海道名所記（1659‐61頃）二)

でけ‐もの【出来物】

1. 〘 名詞 〙
2. ① すぐれた作品。傑作。または、すぐれた人物。傑物(けつぶつ)。できもの。
   1. [初出の実例]「此物共が有様、むるい、きたい、めうふしぎの、でけ物かなとて、皆、かんぜぬ者こそなかりけれ」(出典：浄瑠璃・渡辺綱三田合戦（1663）四)
3. ② からだにできたはれもの。ふきでもの。できもの。おでき。
   1. [初出の実例]「腫(デケ)物を見ねば薬が合はされぬ」(出典：雑俳・玉真葛（1731）)

でき‐ぶつ【出来物】

1. 〘 名詞 〙 ＝できもの（出来物）③

出典　精選版 日本国語大辞典