出版デジタル機構(読み)シュッパンデジタルキコウ

デジタル大辞泉 「出版デジタル機構」の意味・読み・例文・類語

しゅっぱんデジタル‐きこう【出版デジタル機構】

出版物電子化を促進するために国内出版社が連携し、平成24年(2012)に設立した株式会社パブリッジ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「出版デジタル機構」の意味・わかりやすい解説

出版デジタル機構(株)
しゅっぱんでじたるきこう

電子書籍取次会社。読者(電子書籍端末)、電子書店、出版社を結び、電子書籍の普及を図ることを目的に、国内の出版業界が連携協力し、2012年(平成24)4月に設立。所在地は東京都千代田区一ツ橋。サービス名称のパブリッジpubridgeは事業をわかりやすく示した略称で、Publish(出版)とBridge(橋)をかけ合わせた造語である。2017年に電子書籍取次大手の株式会社メディアドゥが出版デジタル機構を完全子会社化した。その後、メディアドゥは持株会社体制に移行、メディアドゥホールディングスとなり、出版デジタル機構はそのグループ会社となった。

 おもな業務は、出版社から提供を受けた本を電子化したうえで、その書籍データを管理し、電子書店に卸売りすることである。書籍データは電子書店を通じて読者へ配信(販売)される。電子書店に販売した売上げは、電子化するために必要な費用などを差し引き、もとの出版社へ分配する仕組みになっている。取次事業のほか、電子書籍制作支援、プリント・オン・デマンド(POD)、書店員や図書館員などと電子書籍をつなぐネットギャリーなどの事業を展開している。

[編集部 2018年6月19日]

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百科事典マイペディア 「出版デジタル機構」の意味・わかりやすい解説

出版デジタル機構【しゅっぱんデジタルきこう】

電子書籍の普及促進とインフラ整備を目的として設立された株式会社。2012年4月設立。講談社小学館新潮社筑摩書房などの出版社と大日本印刷凸版印刷(とっぱんいんさつ)が共同出資,さらに官民ファンド産業革新機構が150億円を出資した。書籍の電子化や保管,配信業務のほか,著作権者への収益配分を支援するシステムなどの整備を業務としている。世界屈指の出版先進国でありながら,書籍のデジタル化で欧米・中国などに大きく遅れをとっている現状を打開するきっかけとなるか注目されている。
→関連項目電子出版電子書籍

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