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産業革新機構 サンギョウカクシンキコウ

デジタル大辞泉の解説

さんぎょうかくしん‐きこう〔サンゲフカクシン‐〕【産業革新機構】

大学や企業が保有する革新的な技術に資金を供給して実用化を支援し、日本経済の持続的な成長を促進するため、官民共同出資により設立された投資ファンド。関連性の高い技術・事業の集約や取締役の派遣など、経営への参加・助言も行う。産業活力再生法に基づいて15年間の時限組織として平成21年(2009)設立。INCJ(Innovation Network Corporation of Japan)。

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知恵蔵の解説

産業革新機構

先端技術の事業化や国内企業の再編などを、公的資金を使って支援する官民出資の投資ファンド。「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)」に基づき、2009年、15年の時限組織として設立された(13年、根拠法を産業競争力強化法に変更)。14年3月末時点での資本金は3000億1000万円で、政府が2860億円、民間企業(26社、2個人)が140億1000万円を出資している。加えて、最大1兆8000億円を政府保証で借り入れできるため、約2兆1000億円の投資能力がある。英語名はInnovation Network Corporation of Japanで、INCJと略す。
リーマン・ショック後に景気が低迷し、先端技術分野などへの資金が回らなくなったことから、将来性のある産業を育成しようと設立された。初代社長には、元あおぞら銀行会長の能見公一(のうみきみかず)が就任、15年からは、元モバイル・インターネットキャピタル社長で、産業革新機構の専務執行役員だった勝又幹英(かつまたみきひで)が社長を務めている。投資対象は、(1)知的財産ファンド(2)ベンチャー企業(3)大企業などの事業切り離し、と幅広い。投資先は、最終的に、機構内の産業革新委員会が評価し、投資を決定する。
17年3月までに、114件(うちベンチャー投資は89件)に9846億円を投じた。日立製作所や東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を分離・統合したジャパンディスプレイ(JDI)への投資や、格安航空ピーチ・アビエーション株の一部売却などでは利益を得た。だが、ベンチャー投資の中には、損失が発生したケースもある。11年に設立し、17年6月に売却した海外向け映画の企画・開発会社、オールニッポン・エンターテインメントワークスは出資した計22億円のうち、ほぼ全額が損失となった。

(南 文枝 ライター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

産業革新機構

国内企業の再編や産業構造の転換をめざす官民ファンドとして、2009年に設立。国が9割超を出資している。総額約2兆円の投資能力があり、15年末で約8千億円を出資したという。

(2016-01-07 朝日新聞 朝刊 5総合)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

産業革新機構
さんぎょうかくしんきこう

先端技術の事業化や国際競争力向上につながる企業支援に公的資金を使う官民出資の投資ファンド。英語名はInnovation Network Corporation of Japan、略称INCJ。リーマン・ショック後の金融危機で先端技術分野へ投資マネーが回らなくなっている状況を改善するため、改正産業再生法(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法、平成11年法律第131号)に基づき、2009年(平成21)7月に発足した。存続期間15年という時限措置つきの株式会社である。本社は東京都千代田区丸の内。社長には元あおぞら銀行会長の能見公一(のうみきみかず)(1945― )が就任。2013年3月末時点の資本金は2800億1000万円で、政府が2660億円、民間企業(27社、2個人)が140億1000万円を出資している。加えて最大1兆8000億円を政府保証つきで金融機関から調達できるため、あわせて2兆円強の投資能力をもつ。機構内に設けた産業革新委員会が投資対象を評価・決定し、おもに(1)大学、企業、研究機関に埋もれた特許などを集約した知的財産ファンドの設立・出資、(2)有望なベンチャー企業への出資、(3)大企業や中堅企業が技術のある事業部門を分社化して創設する共同出資会社への出資、(4)海外企業の買収をはじめとする積極的な海外展開、などの業務を実施する。必要に応じて取締役を派遣し、出資先への経営参加や助言をする。
 これまでに、日本初の知的財産ファンドを設立・出資したほか、洋上風力発電ベンチャーやアルツハイマー治療薬ベンチャーへの出資、オーストラリアやチリの水事業会社の買収、半導体大手ルネサスエレクトロニクスへの共同出資などを実施、2011年度末までの3年間での支援決定数は26件、支援決定額は4029億円、実投資額は2979億円に上る。
 産業革新機構に対しては、公的資金を活用した出資であるため、安易な企業支援に陥らないよう注意すべきである、あるいは、存続期間15年は長すぎる、といった批判がある。企業支援に公的資金を活用する官民ファンドには、ほかに地域経済活性化支援機構(旧、企業再生支援機構)がある。[編集部]

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