分子結晶(読み)ぶんしけっしょう(英語表記)molecular crystal

日本大百科全書(ニッポニカ)「分子結晶」の解説

分子結晶
ぶんしけっしょう
molecular crystal

分子性結晶ともいう。単独に存在しうる分子がファン・デル・ワールス力で凝集して生成する結晶であり、低分子量分子では一般に融点が低く、昇華しやすい特徴をもつ。結晶内での分子構造気体での構造とほとんど変わらないものが真の分子結晶である。水や酸、塩基では結晶内での水素結合の寄与が大きくなり、分子構造に影響している。塩化アルミニウムは気体ではAl2Cl6の二量体分子であるが、結晶はイオン結晶となる。五塩化リンPCl5も結晶では[PCl4][PCl6]の錯塩となる。

[岩本振武 2015年7月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「分子結晶」の解説

分子結晶
ぶんしけっしょう
molecular crystal

分子と分子がファン・デル・ワールス力で弱く結合してできる軟らかい結晶。分子性結晶ともいう。一般に融点が低く,昇華しやすく,電気絶縁性がよい。例としてアルゴンなどの希ガス,酸素などの非金属無機物,パラフィンナフタリンなどの有機化合物の結晶がある。

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世界大百科事典 第2版「分子結晶」の解説

ぶんしけっしょう【分子結晶 molecular crystal】

分子内の強い結合力に比べて格段に弱い分子間の力によって分子が集まって作る結晶。一般に融点が低い。この分子間の力は,気体の場合の分子間の相互作用液体の場合の凝集力と同じものであり,温度を下げることによって結晶格子を形成する力となる。代表的な分子間力としてファン・デル・ワールス力などが知られている。飽和有機化合物や,ハロゲン分子などの結晶がこれに属し,また,不活性気体原子なども同様な分子間力による結晶を作る。

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