ナフタリン

精選版 日本国語大辞典 「ナフタリン」の意味・読み・例文・類語

ナフタリン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Naphtalin ) 芳香族炭化水素の一つ。化学式 C10H8 白色または無色光沢のある単斜晶系のうろこ状結晶。特有の香気があり、常温で昇華する。染料中間体殺虫剤殺菌剤爆薬プラスチック溶剤洗浄剤などの有機合成原料として広く用いられる。
    1. [初出の実例]「樟脳、ナフタリン、それから部屋の中の塵埃などの臭ひが」(出典:蔵の中(1918‐19)〈宇野浩二〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナフタリン」の意味・わかりやすい解説

ナフタリン
naphthalene

化学式 C10H8コールタールから得られる,白色または無色の昇華しやすい結晶。融点 80.3℃。種々の合成染料の重要な原料であり,合成樹脂の原料としても用いられる。以前は衣服などの防虫剤として使用されたが,現在はパラジクロロベンゼンなどに取って代られており,染料その他化学薬品,合成樹脂製造の原料として大量に使われるようになった。一置換体にはα,βの2種の異性体がある。

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世界大百科事典(旧版)内のナフタリンの言及

【ナフタレン】より

…芳香族炭化水素の一つ。習慣上,製品の場合にはナフタリンと呼ばれる。ベンゼン環が2個縮合した,図1のような分子構造をもつ化合物(図2に置換基の位置と名称を示す)。…

※「ナフタリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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