物体を構成する原子、イオンあるいは分子間に働いている引力のこと。分子を構成する原子間力はいわゆる化学結合力によって強力に結合されているが、分子間にはさらに凝集力が働いて固体や液体が形成される。このように、より物理的な力として凝集力は、ファン・デル・ワールス力、イオン間に働く静電引力、双極子あるいは多極子引力、水素結合力、電荷移動力、あるいは金属では電子と原子核の相互作用力などからなっている。凝集力に基づくポテンシャルエネルギーを凝集エネルギーという。それは固体では昇華熱、液体では蒸発熱などから測定される。その大きさは分子性結晶で8~80、イオン性結晶で450~1100、タングステンの880を例外として金属で80~550、共有結合結晶で1モル当り330~700キロジュールである。
[吉田俊久]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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