切捨てる(読み)キリステル

デジタル大辞泉 「切捨てる」の意味・読み・例文・類語

きり‐す・てる【切(り)捨てる/斬(り)捨てる】

[動タ下一][文]きりす・つ[タ下二]
切り取ってその部分を捨てる。「枝を―・てる」
無益なもの、不要なものとして捨て去る。「弱者を―・てる」「過去を―・てる」
計算で、求める位未満の端数を捨てる。「小数点以下を―・てる」⇔切り上げる
人を切ってそのまま放っておく。「一刀のもとに―・てる」
[類語]切る切り付ける切りまくる切り倒す叩き切るぶった切るなで切り試し切り袈裟懸け一刀両断

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「切捨てる」の意味・読み・例文・類語

きり‐す・てる【切捨・斬捨】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]きりす・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. 切ってその部分を捨てる。切ってそのままにしておく。
    1. [初出の実例]「長きこと有らば割却(キリステ)、少くは則ち更に添へよ」(出典:南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)二)
  3. 打ち捨てる。除き捨てる。
    1. [初出の実例]「ここは法師になりなんと思て、弓、やなぐひ、たち、刀きりすてて、法師になりぬ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)六)
  4. 人を切って、そのままにうちすてておく。
    1. [初出の実例]「周詩にはかうこそあれと云者あらば、市の中で斬すてうぞ」(出典:史記抄(1477)五)
  5. 髪を切り落とす。江戸時代、武家富家の後家が、鬢(びん)や髱(たぼ)はそのままで髻(もとどり)をひもで束ね、髪の先を短く切りそろえるのをいう。
    1. [初出の実例]「げにや後家の笠の下より切捨(きりすて)し髪を見せたらんは」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)
  6. 計算で、求めようとする位に足りない端数を捨てる。⇔切り上げる
    1. [初出の実例]「通算対象期間に一箇月に満たない端数があるときは、これを切り捨てる」(出典:失業保険法(1947)二〇条の二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android