デジタル大辞泉 「切る」の意味・読み・例文・類語
き・る【切る/斬る/▽伐る/×截る/×剪る】
1 つながっているものを断ったり、付いているものを離したりする。特に、刃物などでものを分け離す。「枝を―・る」「
2
㋐刃物などで人を傷つけ、または、殺す。「一刀のもとに人を―・る」
㋑鋭利なもので、からだの一部を傷つける。「ナイフで手を―・る」
㋒切開手術をする。「盲腸を―・る」
3 ふさがっているものや閉じてあるものを開ける。「封を―・る」
4 遠慮なく、鋭く批判する。「芸能界を―・る」
5
㋐溝をほる。「ねじ山を―・る」
㋑部屋や土間の一部を掘り下げて炉やこたつをつくる。「いろりを―・る」
㋒謄写版のやすりの上で、鉄筆で文字を書く。「原紙を―・る」
6
㋐続いている物事を、そこでやめたり断ったりする。「話を―・る」「電話を―・る」
㋑続いている人との関係をなくする。「縁を―・る」
㋒器械を操作して電流を止める。「スイッチを―・る」「ラジオを―・る」
㋓道や列などを横切って通る。「行列を―・って進む」
7 券などにパンチを入れたり、その一部を離したりする。「切符を―・る」
8 振り落としたり、したたらせたりして水分などを取り去る。「傘のしずくを―・る」「ざるに上げて水気を―・る」
9 一面に広がっているものを分けるようにして勢いよく進む。「波を―・って走る」「肩で風を―・る」
10 トランプ・カルタ・花札などで、札をよくまぜ合わせる。「カードをよく―・って配る」
11
㋐囲碁で、相手の石の連続を断つ。
㋑将棋で、
12 免職・解雇・除名する。「従業員の首を―・る」
13 物事に区切りをつける。
㋐時期や数量を限定する。「期限を―・る」「先着一〇〇名で―・る」
㋑ある基準の数値以下・以内にする。割る。「一〇〇メートル一〇秒を―・る」「元値を―・って売る」
㋒伝票や小切手などを発行する。「小切手を―・る」
14 際立った、または、思いきった行為・動作をする。
㋐他に先立って始める。「彼がまず口を―・った」「攻撃の
㋑威勢のいい、または、わざと目立つような口ぶり・態度をする。「たんかを―・る」「札びらを―・る」
㋒歌舞伎や能で、強い感情を表すためにある目立つ表情・動作をする。「
15 ハンドル・
16 卓球・テニス・ゴルフなどで、打球に特殊な回転を与えたり、その進路を曲げたりするように打つ。カットする。
17 トランプで、切り札を出して勝負に出る。「クラブのエースで―・る」
18 空中にきまった形を描く。「手刀―・って懸賞を受け取る」
19 (「鑽る」とも書く)石と金属を打ち合わせたり、木と木をこすり合わせたりして発火させる。「火を―・る」
20 (動詞の連用形に付いて)
㋐完全に、また、最後までその行為をする。…し終える。…し尽くす。「力を出し―・る」「売り―・る」
㋑限界にきて、これ以上の事態は考えられない状態である。すっかり…する。「疲れ―・る」「弱り―・った表情」
㋒きっぱり…する。「引き止めるのを振り―・る」「関係を断ち―・る」
21 物事を決定する。終える。
「いまだ勝負も―・らぬに」〈今昔・二八・三五〉
22 (木を切って)つくる。
「今年はたびをも―・ってはかせい」〈和泉流狂・木六駄〉
[補説]広く一般的には「切る」を用い、人などには「斬る」、立ち木などには「伐る」、枝・葉・花などには「剪る」、布・紙などには「截る」を用いることがある。
[可能]きれる
[動ラ下二]「き(切)れる」の文語形。
[下接句]大見得を切る・肩で風を切る・
[類語](1)裁つ・刻む・ちょん切る・ぶった切る・かき切る・切り刻む・ちぎる・切り抜く・刎ねる・切り込む・切り出す・叩き切る・焼き切る・捩じ切る・切り開く・切り落とす・切開/(2)切り付ける・切り捨てる・切りまくる・切り倒す・叩き切る・ぶった切る・なで切り・試し切り・袈裟懸け・一刀両断/(13㋑)割る・割り込む・下回る・