切箔(読み)きりはく

百科事典マイペディアの解説

切箔【きりはく】

金銀のをいろいろの形に切り,糊(のり)を薄くはいた地に振り落として文様とする装飾技術。経巻,屏風(びょうぶ),歌集料紙などに用いる。→切金(きりかね)
→関連項目詞書

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

切箔
きりはく

金、銀、錫(すず)などの箔を用いた装飾技術。仏画、仏像、経巻、料紙、屏風(びょうぶ)などに古くから用いられた。切金(きりがね)と同じ手法で、箔を種々な形に細かく切って貼(は)り付けるものだが、切金のように整然としていないし、貼るときも薄い糊(のり)をはいた上に振り落としてゆくので、配置にも偶然性の効果がみられる。その箔片の形によって、大きいものを石、細かいものを野毛(のげ)、小粒のものを山椒(さんしょう)または霰(あられ)、細粒のものを砂子(すなご)とよぶ。平安後期以降、蒔絵(まきえ)と併用され、金銀の強い輝きと蒔絵の淡い光とが効果的に模様を表現した。

[小笠原信夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

きり‐はく【切箔】

〘名〙 (「きりばく」とも)
① 金銀の箔を用いた紙の装飾法。種々の形に切った箔を、薄く糊を塗った上にまき落とす。
※七十一番職人歌合(1500頃か)五二番「たたう紙みがき打ちたる切はくの光ことなる秋のよの月」
② 蒔絵(まきえ)用の、細かく切った金銀の箔。
※こしかたの記(1961)〈鏑木清方〉烏合会「大和絵の人は、砂子、切箔、泥引などに特殊の技法を有つのが常だが」
③ 金銀の箔を漆(うるし)で鳥子紙(とりのこがみ)にはりつけ、これを紙の竪(たて)方向に細く切ったもの。金銀糸の代用として織物に用いる。
④ 細かい粉末状のものをたとえていう。
※咄本・口合恵宝袋(1755)二「静にひきまはせ、茶がきりはくになってをりる、それでなければ濃茶にならぬ」

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世界大百科事典内の切箔の言及

【料紙装飾】より

…また正倉院文書に〈金薄敷縹紙(きんはくちらしのはなだかみ)〉〈金塵紫紙(きんじんむらさきのかみ)〉〈銀塵紅紙(ぎんじんくれないのかみ)〉などがみえる。〈薄(はく)〉は〈箔(はく)〉であり,〈塵(じん)〉は〈砂子(すなご)〉で,金・銀の切箔や砂子をまいた紙が作られていたことを示す。実物では緑色の紙の表にまばらに金粉をまいた〈緑金箋(りよくきんせん)〉があり,文書にみえる〈金塵緑紙〉に相当するものである。…

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