精選版 日本国語大辞典 「切箔」の意味・読み・例文・類語
きり‐はく【切箔】
- 〘 名詞 〙 ( 「きりばく」とも )
- ① 金銀の箔を用いた紙の装飾法。種々の形に切った箔を、薄く糊を塗った上にまき落とす。
- [初出の実例]「たたう紙みがき打ちたる切はくの光ことなる秋のよの月」(出典:七十一番職人歌合(1500頃か)五二番)
- ② 蒔絵(まきえ)用の、細かく切った金銀の箔。
- [初出の実例]「大和絵の人は、砂子、切箔、泥引などに特殊の技法を有つのが常だが」(出典:こしかたの記(1961)〈鏑木清方〉烏合会)
- ③ 金銀の箔を漆(うるし)で鳥子紙(とりのこがみ)にはりつけ、これを紙の竪(たて)方向に細く切ったもの。金銀糸の代用として織物に用いる。
- ④ 細かい粉末状のものをたとえていう。
- [初出の実例]「静にひきまはせ、茶がきりはくになってをりる、それでなければ濃茶にならぬ」(出典:咄本・口合恵宝袋(1755)二)