日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリーマー」の意味・わかりやすい解説
クリーマー
くりーまー
William Randal Cremer
(1828/1838―1908)
イギリスの政治家、平和運動家。ポーツマス近郊のフェアハムに生まれる。貧しい労働者階級の出身で、15歳で大工の見習となった。1852年にロンドンに行き、1860年大工・建具職合同組合の設立に協力、1864年には第一インターナショナル(国際労働者協会)の設立に貢献し、そのイギリス支部の書記を務めた。1871年労働者平和協会を設立して書記となった。また1885年には労働者を代表して国会議員に当選。議員活動に力を注ぐとともに、平和運動にも取り組んだ。労働運動を通じて、国際連帯の重要性を認識し、フランスの政治家パシーらと協力しあい、1889年に列国議会同盟を設立、そのイギリス議員団の書記に就任し、肺炎で死ぬまで務めた。この国際的平和運動の業績が認められ、1903年ノーベル平和賞を受賞した。1907年にはナイト爵に叙せられた。
[編集部]