日本大百科全書(ニッポニカ) 「前津江」の意味・わかりやすい解説
前津江
まえつえ
大分県西部、日田(ひた)郡にあった旧村名(前津江村(むら))。現在は日田市の中央部西寄りにあたる地域。2005年(平成17)日田市に編入。旧村名は、古代からの当地方名津江山(つえやま)の入口にあたることによる。筑後(ちくご)川水系の四つの小河谷に分かれ、標高400~500メートルに集落が立地する。総面積の93%が山林、産業別就業人口の16%が林業で、スギ、シイタケが主産物。1985年(昭和60)特定森林地域開発林道奥日田線(愛称「奥日田グリーンライン」)が西部に、中津江村、上津江村にかけて開通した。農業は米、高冷地野菜作と畜産の複合経営が行われる。大部分が津江山系県立自然公園に入る。
[兼子俊一]
『右藤太一著『前津江村史』(1979・前津江村)』