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加齢黄斑変性 かれいおうはんへんせい age‐related macular degeneration

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知恵蔵2015の解説

加齢黄斑変性

加齢に伴って、網膜の中心部である黄斑(おうはん)部に病変を起こすもの。視野の中心部が侵されるので、視野の真ん中が最も見えにくくなり、ものがゆがんだりする。浸出型と萎縮型の2つに分けられ、萎縮型は組織が徐々に変性していき、長期間にわたって視力が低下するのが特徴である。浸出型は組織液が浸出し、場合によっては出血を伴い、血管の新生が起こることも知られている。治療としては、萎縮型に対しては有効なものがないとされている。浸出型では出血を予防するために止血剤を用いたり、レーザー光凝固を行ったりする。最近は、光線力学療法(薬物の化学変化によって血管を閉塞させる)がよく行われている。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

加齢黄斑変性
かれいおうはんへんせい

加齢により眼の網膜の中心部に位置する黄斑になんらかの障害が生じて見え方が変化し、視力が低下する病気。しばしば両眼に発症する。かつては、老人性黄斑変性または老人性円板状黄斑変性などとよばれていた。加齢とともに50歳代からみられ、高齢になるほどその発症比率が高くなり、とくに70歳以降に多くみられる。喫煙習慣も大きな危険因子の一つで、喫煙歴が長く、喫煙頻度が高いほど発症の危険性も高くなる。また、遺伝的素因も指摘されているほか、脂肪分の高い食習慣や運動不足といった生活習慣、および特定のビタミンAルテインなどとの関連も指摘されている。
 加齢黄斑変性には萎縮(いしゅく)型と滲出(しんしゅつ)型の二つのタイプがある。萎縮型は、網膜色素上皮細胞が徐々に萎縮して網膜が障害され、少しずつ視力低下が進む。滲出型は、網膜の裏にあって網膜に栄養を送る脈絡膜から、異常でもろい新生血管(脈絡膜新生血管)が成長して網膜に異常をきたす。血液中の水分を漏出させて黄斑に腫(は)れを生じ視力低下をきたしたり、血管が破れて出血し網膜が障害されたりする。進行するに伴って、ゆがんで見える変視症や、ぼやけて見えるなどの視力低下、さらには視野の中心部分が黒く欠落して見える中心暗点などの症状が増してくる。強度になると失明することもある。
 治療は、萎縮型にはまだ確立された治療法がない。滲出型には、脈絡膜新生血管の増殖を抑え退縮させる目的で、脈絡膜新生血管の発生にかかわる血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)を阻害するVEGF阻害薬の眼内注射のほか、光感受性物質を用いて行う光線力学的治療を併用する。また2014年(平成26)、再生医療の先陣を切って、加齢黄斑変性の治療としてiPS網膜を用いた移植手術が行われた。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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