改訂新版 世界大百科事典 「包装用紙」の意味・わかりやすい解説
包装用紙 (ほうそうようし)
wrapping paper
洋紙の品種分類の一つで,重袋(じゆうたい)用およびその他の両更(りようざら)クラフト紙,さらしクラフト紙,純白ロール紙など,袋用,包装用に用いる紙の総称。日本では1974年に130万tも生産されていたが,包装用紙の生産量の40%を占めていた肥料,セメント,米などの包装に使用された重袋用両更クラフト紙の生産が減少したり,スーパーマーケットの紙袋がポリマーフィルムに置き換わってきたので,82年には96万tに減少した(1995年は109万t)。包装用紙は強度を最も必要とする紙なので,印刷用紙とは逆に原料には繊維長の大きい針葉樹未さらしクラフトパルプが好まれ,北アメリカから輸入するダグラス・ファー(アメリカトガサワラ),ツガが用いられている。重袋用両更クラフト紙はJIS(日本工業規格)で規定されており,印刷用紙より重く1m2当り75~84gである。衝撃破壊に対する抵抗性を高めるため,紙に細かいしわをつけ,縦横とも5%以上の破断伸びをもったクラフト伸長紙もある。
執筆者:臼田 誠人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報