化学熱傷(読み)カガクネッショウ(その他表記)Chemical Burn

デジタル大辞泉 「化学熱傷」の意味・読み・例文・類語

かがく‐ねっしょう〔クワガクネツシヤウ〕【化学熱傷】

化学物質による皮膚粘膜損傷。皮膚に直接触れるほか呼吸による喉や気道の粘膜損傷も含む。酸やアルカリなどの化学薬品によるものが多い。化学損傷薬傷。化学火傷やけどケミカルバーン

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 化学火傷

家庭医学館 「化学熱傷」の解説

かがくねっしょう【化学熱傷 Chemical Burn】

[どんな病気か]
 やけどの原因は火や熱湯ばかりではありません。特殊な原料や薬品を扱う工場などでは化学熱傷(化学薬品によるやけど)がみられます。これらのやけどは、職業性のもので、酸とアルカリによるものが多くみられます。
■酸による化学熱傷
 硫酸(りゅうさん)、硝酸(しょうさん)、塩酸、フッ化水素酸、フェノールがおもな原因物質です。これらをからだに浴びると、細胞が脱水や、たんぱく凝固をおこします。とくにフッ化水素は激しい反応をおこし、深部組織まで融解してしまい、激痛をともないます。
 治療は、まず速やかに大量の流水で洗い流し、つぎに重曹水(じゅうそうすい)で洗います。その後の治療は熱傷と同様です。
■アルカリによる化学熱傷
 苛性(かせい)ソーダ苛性カリ生石灰(せいせっかい)によるものが多くみられます。からだに浴びると脂肪の酸化、細胞からの吸水、たんぱくの溶解をおこします。痛みは酸より強いものです。
 治療は、まず流水で洗い流し、つぎに5%塩化アンモニウム液で洗った後、水洗いします。その後の治療は熱傷と同様です。なお、生石灰の場合は水洗いすると熱を発生しますので、粉末を払い落としてから水洗いします。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内の化学熱傷の言及

【やけど】より

…高温の気体,液体,固体に触れることによって発生する皮膚障害。酸やアルカリなど化学薬品による皮膚の障害もやけどといわれるが,これは化学熱傷とよばれる。やけどの程度は,深さと広さによって決定される。…

※「化学熱傷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

関連語をあわせて調べる

一度利用した製品を捨てずにそのまま再使用すること。ごみの削減に重要だとされる「3R」の一つで、衣類・服飾品や家電などさまざまな品目が取り扱われている。リユース商品の専門店やイベント、フリーマーケット...

リユースの用語解説を読む