北枝(読み)ホクシ

デジタル大辞泉 「北枝」の意味・読み・例文・類語

ほくし【北枝】

立花北枝たちばなほくし

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精選版 日本国語大辞典 「北枝」の意味・読み・例文・類語

ほく‐し【北枝】

  1. [ 1 ] 北の方に生え伸びた草木の枝。日当たりの悪い枝。
    1. [初出の実例]「東岸西岸の柳 遅速同じからず 南枝北枝の梅 開落已に異なり〈慶滋保胤〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
    2. [その他の文献]〔貫休‐閑居擬斉梁詩〕
  2. [ 2 ]たちばなほくし(立花北枝)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北枝」の意味・わかりやすい解説

北枝
ほくし
(?―1718)

江戸前期の俳人立花(たちばな)氏。通称研屋(とぎや)源四郎。別号鳥(ちょう)(趙)翠(すい)台、寿夭(じゅよう)軒。加賀国小松(石川県小松市)の出身で、金沢に移住し、兄牧童(ぼくどう)(通称研屋彦三郎)とともに研刀を業とした。談林俳諧(だんりんはいかい)に親しんでいたが、1689年(元禄2)秋『おくのほそ道』行脚(あんぎゃ)中の芭蕉(ばしょう)に会って牧童とともに入門、越前(えちぜん)国松岡(福井県永平寺(えいへいじ)町)まで随行した。その間に得た芭蕉の教えを北枝が筆録したものをもとに後年刊行された『三四考』(1836)、『やまなかしう』(1839)、『山中(やまなか)問答』(1862)は、芭蕉の連句研究上の貴重な資料である。編著に『卯辰(うたつ)集』(1692)、『喪(も)の名残(なごり)』(1697)など。北陸蕉門の代表的人物として重要な存在であった。墓所は金沢市高道町の心蓮社(しんれんしゃ)にある。

[久富哲雄]

 川音やむくげ咲(さく)戸はまだ起(おき)ず

『殿田良作著「立花北枝」(『俳句講座3』所収・1959・明治書院)』『安井小洒著「北枝」(『古典俳文学大系9 蕉門名家句集二』所収・1972・集英社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「北枝」の意味・わかりやすい解説

北枝 (ほくし)
生没年:?-1718(享保3)

江戸前期の俳人。姓は立花。一時,土井を称した。通称は源四郎。別号は鳥翠台,寿夭軒。加賀小松に生まれ,のち金沢住。兄牧童と刀研ぎを業とする。初め談林系に属したが,1689年(元禄2),金沢を訪れた芭蕉に入門,越前松岡まで芭蕉を送った。《おくのほそ道》には〈所々の風景過さず思ひつゞけて,折節あはれなる作意など聞ゆ〉という北枝評を載せる。91年には,楚常の編んだものに北枝が増補した《卯辰集》を刊行。芭蕉三回忌には義仲寺に参詣し,記念の集《喪の名残》(1697)を編む。美濃派の支考,伊勢派の涼菟親交があった。〈笠提て塚をめぐるや村しぐれ〉(《喪の名残》)。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「北枝」の解説

北枝 ほくし

立花北枝(たちばな-ほくし)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北枝」の意味・わかりやすい解説

北枝
ほくし

立花北枝」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の北枝の言及

【蕉門十哲】より

…許六の〈師の説〉に〈十哲の門人〉と見えるが,だれを数えるかは記されていない。その顔ぶれは諸書により異同があるが,1832年(天保3)刊の青々編《続俳家奇人談》に掲げられた蕪村の賛画にある,其角,嵐雪,去来,丈草,許六(きよりく),杉風(さんぷう),支考,野坡(やば),越人(えつじん),北枝(各項参照)をあげるのがふつうである。【石川 八朗】。…

※「北枝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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