卓越風(読み)タクエツフウ

デジタル大辞泉 「卓越風」の意味・読み・例文・類語

たくえつ‐ふう〔タクヱツ‐〕【卓越風】

ある地域で、ある期間内に最も吹きやすい風。常風

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精選版 日本国語大辞典 「卓越風」の意味・読み・例文・類語

たくえつ‐ふうタクヱツ‥【卓越風】

  1. 〘 名詞 〙 ある地域で一定期間内に最も多く吹く風。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「卓越風」の意味・わかりやすい解説

卓越風
たくえつふう

ある地域で、ある期間にもっとも吹きやすい風。常風(じょうふう)ともいう。期間としては日、月、季節、年などがある。一般にはその地域の最多風向をいうことが多い。卓越風には地形影響が大きい。たとえば、日本の冬は一般に北西風が吹いていると考えやすいが、実際の地表の風はこれに地形の影響が重なるので、川沿いの所ではそれが川沿いの風向になったり、また東海地方のように西風が多くなったりしている所もある。気候景観や植物生態は卓越風を反映していることが多い。たとえば強風地帯にはその地方の風を反映した偏形樹が発達し、これによって反対に卓越風の風向を判定することができる。

根本順吉

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「卓越風」の意味・わかりやすい解説

卓越風
たくえつふう
prevailing wind

一定の期間の風を平均してみたとき,ある方向からの風の出現頻度が高い場合の,この方向の風。春から秋にかけて顕著に現れる海岸地方の海風日中の,陸風夜間の卓越風である。季節についてみると冬季の日本の北西季節風,夏季インドの南西季節風などがある。さらに大気大循環における極地方偏東風,低緯度地方の偏東風(貿易風)も卓越風である。

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