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西風 にしふう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

西風
にしふう

義太夫節で竹本座芸風をいう。豊竹座の東風に対する。竹本座が道頓堀の西寄りに位置していたことに由来する呼称。流祖竹本義太夫の個性や語り口から発し,やがて竹本座全体の芸となった。基本的な作劇理念,発声,使用する主な旋律型なども統一されている。総体に地味で劇的な写実性にすぐれ,男性的な語り口である。寛延1 (1748) 年,『仮名手本忠臣蔵』初演の際に太夫の東西入替り事件が起きて以後,両座の風は混交するようになり,また一つの作品の前半を西風,後半を東風で演奏したり,『忠臣蔵』以前の作品の改曲もなされるようになった。今日まで西風で伝承されるものに,『国性爺合戦 (こくせんやかっせん) 』3段目の「甘輝館」,『鬼一法眼三略巻 (きいちほうげんさんりゃくのまき) 』3段目の「菊畑」,『心中宵庚申 (しんじゅうよいごうしん) 』中の巻の「上田村」などがある。

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デジタル大辞泉の解説

せい‐ふう【西風】

西方から吹いてくる風。にしかぜ。
寂しい秋の風。秋風。

にし‐かぜ【西風】

西から吹いてくる風。にし。

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大辞林 第三版の解説

せいふう【西風】

西から吹く風。にしかぜ。
秋風。

にしかぜ【西風】

西方から吹いてくる風。 ↔ 東風ひがしかぜ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

西風
にしかぜ

西の方角から吹いてくる風。南北両半球とも温帯の上空では西寄りの風が卓越しているが、この風は偏西風とよばれている。温帯ではこの偏西風によって天気も西から東へと移動していく。すなわち、西の方角にある地域の天気は、その地域の天気を先取りしているわけで、「夕焼けは晴れの前兆」といった俚諺(りげん)も、西風による天気東漸の事実に基づいている。[根本順吉]

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世界大百科事典内の西風の言及

【人形浄瑠璃】より

…この人形の芸風の違いは,太夫の曲風とも関係する。竹本座の座頭2世義太夫(竹本政太夫,播磨少掾)は質実剛健な語り口(西風と呼ぶ。音階的には陰旋法)で男性を語るに適し,初世豊竹若太夫は花やかな語り口(東風,陽旋法)で女性の表現に適していた(近石泰秋《操浄瑠璃の研究》参照)。…

【義太夫節】より

…太夫はそれぞれ竹本,豊竹姓を名のるのみならず,それぞれに共通した様式のもとに結束を固めていた。こうした流派様式を,竹本座は西風(にしふう),豊竹座は東風(ひがしふう)とよんだ。西風は地味で写実的で劇的表現にすぐれ,東風ははなやかで旋律的表現にすぐれていた。…

【浄瑠璃】より

…98年(元禄11)筑後掾受領,1705年(宝永2)11月の《用明天王職人鑑》以後,竹田出雲(座本),近松門左衛門(作者),辰松八郎兵衛(人形),竹沢権右衛門(三味線)を擁し活躍した。その没後は竹本政太夫(《吉備津彦神社史料》《熊野年代記》に筑後掾悴義太夫の名があり,政太夫は2世義太夫とされてきたが3世か)が近松作品を深く語り分け,豊竹座の若太夫(豊竹若太夫,越前少掾)も紀海音の義理にからむ作風を巧みに観客の時代感覚に訴えて,西風(竹本),東風(豊竹)が競演し,浄瑠璃の近世意識が最高に発揮された。 享保(1716‐36)後半からの人形機巧の発達,舞台装置の発達は浄瑠璃の脚本化,舞台装置の歌舞伎化を招く。…

【風】より

…【堀 信夫】
[義太夫節]
 義太夫節の様式を示す〈風〉には,座の風と太夫個人の風とがある。座の風とは竹本座豊竹座の様式で,竹本座を西風,豊竹座を東風と称する。両者は基本的芸術理念,音階,旋律法,旋律型,三味線の音色や奏法などに相違がみられる。…

※「西風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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