出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…この人形の芸風の違いは,太夫の曲風とも関係する。竹本座の座頭2世義太夫(竹本政太夫,播磨少掾)は質実剛健な語り口(西風と呼ぶ。音階的には陰旋法)で男性を語るに適し,初世豊竹若太夫は花やかな語り口(東風,陽旋法)で女性の表現に適していた(近石泰秋《操浄瑠璃の研究》参照)。…
…太夫はそれぞれ竹本,豊竹姓を名のるのみならず,それぞれに共通した様式のもとに結束を固めていた。こうした流派様式を,竹本座は西風(にしふう),豊竹座は東風(ひがしふう)とよんだ。西風は地味で写実的で劇的表現にすぐれ,東風ははなやかで旋律的表現にすぐれていた。…
…98年(元禄11)筑後掾受領,1705年(宝永2)11月の《用明天王職人鑑》以後,竹田出雲(座本),近松門左衛門(作者),辰松八郎兵衛(人形),竹沢権右衛門(三味線)を擁し活躍した。その没後は竹本政太夫(《吉備津彦神社史料》《熊野年代記》に筑後掾悴義太夫の名があり,政太夫は2世義太夫とされてきたが3世か)が近松作品を深く語り分け,豊竹座の若太夫(豊竹若太夫,越前少掾)も紀海音の義理にからむ作風を巧みに観客の時代感覚に訴えて,西風(竹本),東風(豊竹)が競演し,浄瑠璃の近世意識が最高に発揮された。 享保(1716‐36)後半からの人形機巧の発達,舞台装置の発達は浄瑠璃の脚本化,舞台装置の歌舞伎化を招く。…
…【堀 信夫】
[義太夫節]
義太夫節の様式を示す〈風〉には,座の風と太夫個人の風とがある。座の風とは竹本座と豊竹座の様式で,竹本座を西風,豊竹座を東風と称する。両者は基本的芸術理念,音階,旋律法,旋律型,三味線の音色や奏法などに相違がみられる。…
※「西風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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