偏東風(読み)へんとうふう(英語表記)easterly wind; easterlies

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

偏東風
へんとうふう
easterly wind; easterlies

東から西に向かってほぼ定常的に吹く地球規模の風。低緯度地方と極地方でみられる。亜熱帯高圧帯から地表付近で吹き出す風のうち赤道方面に向かうものは,コリオリの力(転向力)によって東風となって熱帯収束帯に吹き込む。この東風が熱帯偏東風であり,貿易風とも呼ばれる。北半球での東風が北東貿易風となり,南半球では南東貿易風となる。極地方でも,極高気圧から吹き出す風がコリオリの力によって東風になり寒帯前線に吹き込む。この風を極偏東風と呼ぶ。

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世界大百科事典 第2版の解説

へんとうふう【偏東風 easterlies】

赤道地帯と極地の対流圏下層にみられる東から西に向かって吹く帯状流を指す。それぞれ赤道偏東風,極偏東風と呼ばれている。(1)赤道偏東風 亜熱帯高気圧の低緯度側にみられる東風で,風速は一般に偏西風よりはるかに弱く,偏東風域は上空に行くほどせばめられているが,赤道付近では対流圏全層にわたって東風になっている。赤道地方で加熱されて上昇した空気は対流圏上層を極地方へ移動し,緯度30゜付近に収束下降して再び赤道低圧帯に向かう流れとなり,閉じた南北循環を形成している。

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大辞林 第三版の解説

へんとうふう【偏東風】

地球を帯状にとりまいて東から西に吹く風。赤道地帯の対流圏上層に著しい。下層では、北東もしくは南東の貿易風となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

偏東風
へんとうふう

南や北の成分をもちながらも、おおむね緯度圏に沿って東から西に定常的に吹く風。極地方の下層と、熱帯に卓越し、それぞれ極偏東風、熱帯偏東風(または貿易風)とよばれる。大気大循環論では単に偏東風といえば、熱帯偏東風をさす場合が多い。極偏東風に比べると、熱帯偏東風は鉛直方向に厚く、高さは8~10キロメートルまたはそれ以上に及ぶ。中緯度偏西風に偏西風波動があるように、熱帯偏東風も南北に蛇行して流れ、この波動はイースタリ・ウェーブ(偏東風波動)とよばれている。偏西風波動は低緯度側に蛇行する部分が谷であるが、イースタリ・ウェーブの谷は高緯度側に波打つ部分にあたる。イースタリ・ウェーブは時速20キロメートル程度で西進し、谷の西側(進行前面)で大気が発散して下降気流がおこり晴天域となるため、谷の近傍と東側で収束し上昇気流がおこって悪天域となる。この波動が不安定化すると、渦巻になって、熱帯低気圧(台風やハリケーン)にまで成長することがある。[倉嶋 厚・青木 孝]

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