南方遺跡(読み)みなみがたいせき

日本歴史地名大系 「南方遺跡」の解説

南方遺跡
みなみがたいせき

[現在地名]宇部市大字西岐波 山村

沢波さわなみ川と浜田はまだ川が下刻した中位段丘の上位面に立地する山村やまむら先土器遺跡群に属し、沢波川左岸にある。旧石器を出土する段丘面は標高二五―三〇メートルの古殿面で、ほとんど畑地に開かれている。遺物中に縄文・弥生・古墳時代のものも交じるがその量は少ない。

遺物はナイフ形石器・台形石器・掻器・削器・尖頭器状石器・舟底形石核・石核・刃器状剥片と細石刃や細石核など先土器時代の石器であるが、耕耘された畑地に散布するため、地層と直接結び付けてとらえることができない。

南方遺跡
みなみがたいせき

[現在地名]岡山市南方一―三丁目・番町一―二丁目・国体町・奉還町一丁目

旭川デルタの西辺に広がる微高地上に展開する。分布はほぼ近世の南方村全域に及び、遺跡は河道の流路の方向に規制されて北東から南西方向に向けて連続する。この遺跡の東側には安定した微高地はみられず、ほぼ南北方向に続く広い旭川主河道の氾濫原が広がっていた。この氾濫原は少し下流になると、内山下うちさんげから天瀬あませにわたる地域、二日市ふつかいち町から七日市東なのかいちひがし町・同西町にわたる地域、鹿田しかた町付近などに安定した中洲を形成していた。しかし遺跡地の付近では、原尾島はらおじま付近の旭川東辺の微高地群までの間に荒れた氾濫原が続いていたものと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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