南箕輪(読み)みなみみのわ

改訂新版 世界大百科事典 「南箕輪」の意味・わかりやすい解説

南箕輪[村] (みなみみのわ)

長野県中央部,上伊那郡の村。人口1万4543(2010)。天竜川西岸,伊那盆地北部を占める。村域は伊那市西箕輪地区によって東西に二分され,西部木曾山脈経ヶ岳(2296m)の山地であるが,東部は伊那盆地にあって天竜川の段丘崖下に集落が発達し,JR飯田線,国道153号線が通じている。昭和初期の西天竜疎水の建設によって段丘面は水田化され,米作を中心に酪農養蚕,果樹栽培などを営む農業主体の村であったが,中央自動車道の開通により,電子部品などの工場が進出し,住宅地化も進んでいる。経ヶ岳南方の権兵衛峠に通じる権兵衛街道は,江戸時代に伊那から木曾へ米を運ぶ道として重要であった。2006年権兵衛トンネル(4470m)が開通。伊那市との境界付近には中央自動車道伊那インターチェンジがある。南箕輪村郷土館がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南箕輪」の意味・わかりやすい解説

南箕輪(村)
みなみみのわ

長野県中南部、上伊那郡(かみいなぐん)の村。伊那盆地の北部、天竜川の右岸段丘上に位置し、西は木曽(きそ)山脈の山麓(さんろく)である。段丘上は平坦(へいたん)で稲作が中心であるが、木曽山脈の山麓の緩傾斜地ではトマト、ハクサイ、キュウリ栽培やリンゴ、ナシの果樹栽培、酪農が行われる。JR飯田(いいだ)線、国道153号(三州街道)、中央自動車道が通じ、伊那市との境に伊那インターチェンジがある。南部の大芝原(おおしばはら)は観光開発が進んでいる。信州大学農学部など学校が多く、学園村とよばれる。なお、西方の権兵衛峠(ごんべえとうげ)一帯に広大な飛び地がある。木曽方面へは、権兵衛トンネル、姥神トンネル(うばがみとんねる)などによって国道361号の通年利用が可能となった。面積40.99平方キロメートル、人口1万5797(2020)。

[小林寛義]


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