危険半円(読み)キケンハンエン

デジタル大辞泉 「危険半円」の意味・読み・例文・類語

きけん‐はんえん〔‐ハンヱン〕【危険半円】

熱帯低気圧経路に沿って、北半球では進行方向右側南半球では左側半円可航半円よりも風が強く、船は低気圧前方に流されるので危険。→可航半円

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精選版 日本国語大辞典 「危険半円」の意味・読み・例文・類語

きけん‐はんえん‥ハンヱン【危険半円】

  1. 〘 名詞 〙 進行中の熱帯性低気圧で、特に強い風の吹く半円をなす範囲。北半球では進行方向の右側、南半球では左側にあたる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「危険半円」の意味・わかりやすい解説

危険半円
きけんはんえん

北半球では、台風や発達した低気圧の進行方向に対して右側の半円(南半球では左側)のこと。中心に吹き込む風と、台風や発達した低気圧自身の動きによる風が相互に加えられるため風がとくに強くなり、航海には危険なのでこのようによばれる。危険半円にいる船舶避難のため中心から遠ざかろうとするときには、向かい風を受けることになるので、向かい風半円ともよばれる。このため危険半円からの脱出には(帆船の場合はとくに)困難が伴う。

饒村 曜]


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改訂新版 世界大百科事典 「危険半円」の意味・わかりやすい解説

危険半円 (きけんはんえん)
dangerous semicircle

台風などの熱帯低気圧の進行方向の右側(南半球では左側)の半円(領域)を呼んだ。進行方向と風の方向が重なって風が強く,また船舶などは台風の前方に流されて中心に接近しやすくなり,しかも長く暴風にさらされることによる。反対側は可航半円(航海半円)navigable semicircleと呼んだ。
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世界大百科事典(旧版)内の危険半円の言及

【台風】より

…強い台風では50m/sをこえることも多い。移動している台風では,進行方向に向かって台風中心の右側の方が左側より風が強い(右側を危険半円,左側を可航半円と呼ぶこともあった)。移動速度が大きいほど左右の非対称は大きくなる。…

※「危険半円」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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