原理運動(読み)ゲンリウンドウ

デジタル大辞泉 「原理運動」の意味・読み・例文・類語

げんり‐うんどう【原理運動】

1954年、キリスト再臨と称する韓国文鮮明が起こした世界基督教統一神霊教会統一教会)の布教活動。1960年代に日本にも伝わった。
[補説]同組織は現在、名称を「世界平和統一家庭連合」と変更している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「原理運動」の意味・わかりやすい解説

原理運動
げんりうんどう

韓国人の文鮮明(ぶんせんめい/ムンソンミョン)(1920―2012)が1954年にソウルで創始した新宗教である世界基督(キリスト)教統一神霊協会Unification Church(現、世界平和統一家庭連合)の布教活動のこと。統一運動ともよばれる。文は自ら「キリストの再臨」であり「全人類の父」と称し、宇宙根本原理である神は一つであり、この原理を説くことで全宗教を統一し、平和な世界を建設することができると唱える。1971年以降、本部をアメリカ合衆国に置き、アメリカ、韓国、日本を中心に約600の教会と300万人以上の信者をもつと称する。日本では1964年(昭和39)に東京都から宗教法人として認証されたが、とくに1970年代から一部の青少年の間に熱心な信者を獲得した。彼らは家庭を捨て、合宿して統一原理の研究を行ったので、家族との対立を招き、高額な献金霊感商法などでも社会問題となった。1975年以後、ソウルやニューヨークで2000組余りの男女の集団結婚式を行うなど、話題をまいた。また、その教えには反共産主義色彩が強く、別組織の友好団体である国際勝共連合などを通じての宣伝を行うかたわら、出版新聞などのメディアによる言論活動を活発に進めてきた。

[田丸徳善]

『井上順孝・孝本貢他編『新宗教事典』(1989・弘文堂)』『有田芳生著『統一教会とは何か――追いこまれた原理運動』(1992・教育史料出版会)』『井上順孝・孝本貢他編『新宗教教団・人物事典』(1996・弘文堂)』『井上順孝著『新宗教の解読』(ちくま学芸文庫)』

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改訂新版 世界大百科事典 「原理運動」の意味・わかりやすい解説

原理運動 (げんりうんどう)

1954年韓国人文鮮明(1920- 。レバレンド・ムーンとも称す)によって創立された世界基督教統一神霊協会(略称,統一教会。本部ソウル)の布教活動。その教えは,宇宙の根本原理たる神の実在を知り,その原理を解明することによって,全宗教を統一し,地上に平和な世界を建設できるとする。59年に日本統一教会が創立され,以後,高校生・大学生を中心に原理運動が行われる。統一教会の研修組織体が原理研究会で,その研修は合宿生活を通じて行われることから,家庭に帰らぬ者が増大し,62年〈原理運動対策父母の会〉が,75年〈原理運動被害者父母の会〉が発足するなど社会問題となった。また,共産主義思想を一掃する目的から,1968年国際勝共連合を結成した。アメリカ,ヨーロッパでも布教活動を行っている。
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