コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

原始星 げんしせい protostar

翻訳|protostar

7件 の用語解説(原始星の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

原始星
げんしせい
protostar

自らの重力で収縮して星になりつつある,チリを含む星間ガスの塊。収縮によってしだいに高密度になることで,光が自由に出てこられなくなり,内部の温度が上昇していく。表面から放出されるエネルギーによって,周りのチリが温められ,赤外線を放出するので,赤外線星として観測される。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵2015の解説

原始星

誕生して間もない星。恒星の誕生は星間ガスの重力収縮に始まる。ガスが圧縮され高温になり、赤外線や電波を放射するような段階の星が原始星。周囲のガスは円盤状に回転しながら恒星に降り積もり、原始星は成長する。原始星の周囲にはガスや塵の円盤が作られ、円盤に垂直双方向に双極流と呼ばれるガスのジェットの放出が見られる。このように恒星の誕生は厚いガスに包まれているため、可視光で観測することが困難だが、赤外線や電波によって降着円盤やジェット流が観測されている。

(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

げんし‐せい【原始星】

希薄な星間ガスが固まってできたと考えられる、恒星形成の初期の天体。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

原始星【げんしせい】

生まれたばかりの星。宇宙空間のガス雲は,近くの星の爆発による衝撃やガス雲どうしの衝突などをきっかけとして収縮を始め,分裂・収縮を繰り返して恒星になる。原始星として観測されているものには,オリオン星雲中のクラインマン=ロー星雲,ハービッグ=ハロー天体などがある。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

げんしせい【原始星 protostar】

星間空間にあるガスは,自分自身の重力(万有引力)で収縮しはじめ,分裂し,さらに収縮を繰り返して恒星になる。こうして生まれたばかりの星を原始星という。星間空間にあるガスと星間塵の雲は,星に照らされて散光星雲として見えたり,あるいは背後の星を隠して暗黒星雲として観測される。とくに密度の高いガス雲の内部では,水素分子一酸化炭素や,より複雑な有機分子が形成されていて,電波でわかる雲として観測される。ガス雲が収縮を始めるきっかけとなるものは,ガス雲の衝突や,近くで起こった他の星の爆発による衝撃などである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

げんしせい【原始星】

星間雲(分子雲)が重力によって分裂・収縮してできた、生まれたばかりの、まだ核融合反応が行われていない段階の星。周囲に塵やガスを伴い、高い光度をもち、活発な活動を行う。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

原始星
げんしせい
protostar

分子雲(暗黒星雲)の中では重力によって物質が収縮する。その結果、星(恒星)が生まれ始める。収縮を始めてから前主系列に至る間、星は高い光度をもち、活発なふるまいをみせる。この段階にある天体を原始星とよんでいる。
 星の母胎となる分子雲の温度は普通20K(ケルビン)前後である。収縮の際に生ずる重力エネルギーは、初め放射エネルギーとして放出されるが、密度が大きくなるにつれて、放射はガスや微粒子による吸収のために内部に閉じ込められるようになり、中心では温度が上昇する。表面の温度は約100~500Kで、かつ濃密なガスと微粒子に包まれているために、中心部は光では見ることができないが、赤外線ではたいへん明るく見える。その周りの母胎の雲では多くの種類の分子の輝線が、赤外線や電波で観測される。このような天体は、これまでに1000個ほどみつかっている。それらに共通する特徴を述べる。
 分子雲の中のコア(密度が高い領域)が収縮する結果、コアの中心は暖かくなり赤外線で光り始める。この段階を原始星とよぶ。原始星の周りには、収縮の際に取り残されたガスや微粒子が円盤状になってゆっくり回転しており、その中では水分子やヒドロキシ基のメーザー(星間メーザー)が明滅している。回転面と垂直の方向にはガスが激しく吹き出し、周りのガスと衝突して、衝撃波を発生させている。そこではハービック・ハロー天体(原始星から吹き出したガスが水素原子や硫黄(いおう)、酸素、鉄などのイオンを励起して光っている星雲)、水素分子輝線(原始星からの衝撃波が水素分子を励起して近赤外線で光っている星雲)、分子双極流(原始星の自転極の双方向から吹き出す中性分子ガスの流れ)がみられる。このような段階は1万年から数万年の間続く。やがて分子コアの中心の原始星および周りのガス・微粒子の円盤はさらに進化して、原始星の段階から次の段階へ移行する。これから先の進化は、星の質量によって大きく異なった様相を示す。
 大きな質量の星では、星の表面温度が数万Kに達するため、周囲のガスを電離し、H領域とよばれる電波源を形成する。中心部は収縮が急速に進み、主系列星が生まれる。一方、中・小質量の星の表面は、1万Kよりは高くならないためにH領域はできず、また、周りのガスや微粒子はほとんど星の中に落下してしまうために、光や近赤外の天体として見えてくる。これがT‐タウリ型星で、明るさは太陽の10~100倍である。中質量(2~8太陽質量)の天体は、ハービックAe/Be型星とよばれ、明るさはT‐タウリ型星のさらに10倍ある。この段階を前主系列期、あるいは、クラス天体とも称する。さらに進化して中心で核融合反応が始まった星が主系列星であり、夜空に見える星の大半はこの時期にあるもので、これに達した時期を「零歳Zero Age」とする。
 主系列星とT‐タウリ型星、ハービックAe/Be型星の間に、X線や輝線の弱い天体がみつかっている。この弱輝線T‐タウリ型星(クラス天体)は、ガスや微粒子の円盤が吹き払われると同時に、一部は惑星系に変化しつつある時期と考えられる。原始星とは、分子雲の中で、「零歳」の誕生前の胎児として活発な活動を行いつつ、惑星系形成を行っている段階の天体をさすといえよう。[佐藤修二]
『藤井旭著『藤井旭の天文学入門』(1990・誠文堂新光社) ▽高原文郎著『宇宙物理学』(1999・朝倉書店) ▽柴田一成・福江純・松元亮治・嶺重慎編『活動する宇宙――天体活動現象の物理』(1999・裳華房) ▽藤井旭著『星の一生――解き明かされる星ぼしの謎』(2002・偕成社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の原始星の言及

【恒星】より

… 太陽は質量,光度,半径などいろいろな点で標準的な恒星であるが,一般の恒星は質量,年齢,単独星か連星かおよびこれらの組合せでさまざまな姿を示す(表1)。恒星は高密度の星間雲の凝縮と分裂によって生じ,誕生したばかりの星は原始星と呼ばれる。これらは,温度が低く赤色で,光度も半径も大きい超巨星であるが,その時期は短くごくふつうの安定な状態にある主系列星へと進化する。…

※「原始星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

原始星の関連キーワード明日は我が身自分自身重力崩壊分子雲コア星間空間惑星間塵惑星間空間塵恒星間空間星間減光星間偏光

原始星の関連情報