反応器(読み)ハンノウキ

化学辞典 第2版 「反応器」の解説

反応器
ハンノウキ
reactor

化学反応を行わせて目的の物質を得るための装置.工業的規模においては,反応物質や反応形式差異によって,経済性だけでなく安全性などを考慮した種々の形式が考案されている.反応物質の相の組合せに従った反応器の分類を以下に示す.均一相系については,管形反応器,かくはん槽型反応器などが広く用いられている.分解や塩素化などでは光化学反応を利用する反応器も用いられる.また,元素から種々の物質の直接合成炭化水素の分解など3000 ℃ 以上の高温での化学反応を行うプラズマジェット反応器も出現した.気-固あるいは液-固系の反応器には,触媒を充填した固定触媒層のなかに反応流体を流して反応操作を行う固定層触媒反応器や,溶鉱炉(高炉)のように,反応する物質が装置内を移動しながらガスと接触して反応する移動層型反応器,あるいは,反応ガスによって粉粒状の触媒を流動化しながら接触反応を行わせる流動層型反応器が広く用いられている.気-液あるいは液-液系の反応器においては,接触界面積を大きくする必要があり,一方の物質を気泡あるいは液滴の形で分散させる.気-液系では,主として液が満たされた塔内に反応気体を吹き込む気泡塔型反応器が広く用いられ,液-液系では,機械的な強制かくはんによって液を分散させるかくはん型反応器が使用される.そのほか,反応中に反応物質の粘度が増大していく高分子重合反応には,各種の形式が考案,使用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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