不均一相(二つ以上の相からなる)の界面で進行する触媒反応をいう。反応物が液体または気体で固体触媒の表面でおこる場合がもっとも一般的である。このとき界面での触媒作用を接触作用という。また広く触媒反応をさして接触反応ということもある。
接触反応の反応速度は、触媒の表面積が大きいほど大きい。また反応は、反応物が表面に接近して相互作用により表面に保持される過程、すなわち吸着を第一段階として進行すると考えられるが、かならずしも強く表面に保持されるのがよいとは限らない。触媒上での反応には、こうして吸着した2種類の反応物分子の反応により進行するもの(ラングミュア‐ヒンシェルウッドの反応機構)と、1種類の反応物分子のみが吸着し、他の反応物分子は気相または液相にあって反応するもの(リデールの反応機構)がある。触媒により反応速度が大きくなるのは、活性錯合体の形成に必要な活性化エネルギーが、触媒がないときに比べ、ずっと小さくなるためと考えられる。
[戸田源治郎]
不均一系に存在する触媒体の界面で促進される界面反応.固体触媒表面で,気相または液相に存在する物質が表面反応する場合がほとんどである.触媒は反応物質を吸着活性化するとともに,活性錯体を安定化して反応経路のポテンシャルエネルギーの極大値を低下させ,反応速度を増大する役割を果たす.接触反応という用語は,広義には均一系触媒反応を含めた,すべての触媒反応の意味に用いられることもある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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