反覆(読み)ハンプク

デジタル大辞泉 「反覆」の意味・読み・例文・類語

はん‐ぷく【反覆】

[名](スル)《「はんぶく」とも》
心変わりして約束などを破ること。裏切ること。
「一旦責任問題が持ち上がって、自分の―をなじられた時ですら」〈漱石坑夫
反復1」に同じ。
念仏は次の日も同一に―された」〈長塚
くつがえすこと。ひっくりかえること。反転
天地は―することありとも」〈読・近世説美少年録・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「反覆」の意味・読み・例文・類語

はん‐ぷく【反覆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「はんぶく」とも )
  2. 元にもどること。また、元にもどすこと。〔史記‐屈原伝〕
  3. うらがえしになること。ひっくりかえること。また、うらがえすこと。ひっくりかえすこと。反転。
    1. [初出の実例]「大地は反覆すとも高山は頽落すとも」(出典:日蓮遺文‐撰時抄(1275))
    2. [その他の文献]〔漢書‐陸賈伝〕
  4. 天下・国家などの体制が崩壊すること。くつがえること。また、くつがえすこと。転覆
    1. [初出の実例]「天下の反覆(ハンブク)遠からじと」(出典太平記(14C後)一八)
    2. [その他の文献]〔戦国策‐趙策・武霊王〕
  5. 心変わりして信義を破ること。うらぎること。
    1. [初出の実例]「油断はならぬ人情反覆(ハンブク)」(出典:人情本春色辰巳園(1833‐35)後序)
    2. [その他の文献]〔詩経‐小雅・小明〕
  6. はんぷく(反復)
    1. [初出の実例]「反覆天驕性、元戎馭未安」(出典:文華秀麗集(818)下・奉和隴頭秋月明〈小野岑守〉)
    2. [その他の文献]〔孟子‐万章・下〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「反覆」の読み・字形・画数・意味

【反覆】はんぷく

反復。また、そむく。〔史記、淮陰侯伝〕人をして王に言はしめて曰く、齊は僞詐多變、反の國なり。南のかた楚に邊す。假王と爲りて以て之れを鎭めずんば、其の勢ひ定まらず。願はくは假王と爲ることならんと。~書を發(ひら)く。王大いに怒る。

字通「反」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android