反閇/返閉/反陪(読み)ヘンバイ

世界大百科事典 第2版の解説

へんばい【反閇】

陰陽師邪気を払い除くため呪文を唱え大地を踏みしめ,千鳥足に歩む呪法三足,五足,九足などさまざまの種類がある。平安朝以来天皇・将軍など貴族の外出にあたって多く行われ,悪い方角を踏み破る意味があるという。土御門(安倍)家の秘法では反閇のとき燃灯し,水,米,大豆,ゴマ,アワ,麦,酒,生牛乳などを用意して散供(さんぐ)を行う。平安朝,陰陽道の進出につれ,日本古来の鎮魂作法が反閇と習合し,神楽が芸能化する中世にはそれに伴って反閇も《翁》《三番叟》《道成寺》など猿楽にとりいれられ,乱拍子(らんびようし)などとも呼び,祝福的意味をもつようになった。

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世界大百科事典内の反閇/返閉/反陪の言及

【身固】より

…これは密教でいう護持に相当し,一般には撫物(なでもの)と称し,陰陽師の用いる人形を,依頼する人がなでまわしてこれを川に流す呪法も,広い意味からは身固の作法の一部とみなしうる。一説に身固は反閇(へんばい)の略法ともいわれ,反閇は六甲術とも称し,その作法の陰陽道の宗家である賀茂・安倍両氏の習伝するところで,大地を踏む所作(禹歩)が含まれる。鎌倉幕府では将軍の身固を9人の陰陽師が奉仕し,鶴岡八幡宮社参の際は廊車寄の戸においてこれを勤める。…

【乱拍子】より

…歌舞伎舞踊にも〈乱拍子ノ舞〉があるが,能とは異なりきわめて簡単なものである。乱拍子は古くから行われた反閇(へんばい)をとり入れた芸能と思われる。大和多武峰(とうのみね)の延年に〈乱拍子〉の演目があり,岐阜県郡上(ぐじよう)郡白鳥町の長滝白山神社の祭り(1月6日)に行われる延年の〈乱拍子ノ舞〉は,2人の稚児がそれぞれ牡丹と菊の造花を持って,特殊な足どりで舞台を回り,足拍子を踏む舞である。…

※「反閇/返閉/反陪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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