太平洋戦争中東南アジア占領地域における日本の軍政を補佐した陸海軍の臨時職員。1941年12月27日公布の特設海軍部隊臨時職員設置制,42年3月7日公布の陸軍特設部隊等臨時職員設置制,陸軍司政官及び海軍司政官特別任用令の3法令にもとづいて設置された。司政官は軍人・官吏および民間人から抜擢任命され,各地軍政の長官である軍司令官や艦隊司令長官以下で構成された軍政部(1942年7月以後は軍政監部)の顧問として軍政の実施に参画し,軍政部の補佐役を務めた。初め陸軍は司政長官(勅任官)55名,司政官(奏任官)350名,海軍は司政長官1名,司政官9名であったが,42年9月9日から海軍の司政長官15名,司政官144名となり,43年10月現在で陸軍の司政長官は147名,海軍の司政長官は18名であった。なお,司政官以下の軍政要員としては,理事官,技師,書記,通訳,技手,警査,警部,巡査,教員および準教員が置かれていた。
執筆者:木坂 順一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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