2枚の板ガラスの間にポリビニルブチラール・フィルムをはさんで接着し,破損した場合にも破片が飛び散ることがないように作られたガラス。使用されるポリビニルブチラール・フィルムは厚さ0.38mmあるいは0.76mmであり,3mm厚の2枚の板ガラスの間にはさみ,オートクレーブで処理され製造される。用途は主として自動車用高級フロントウィンドーガラスで,安全性は強化ガラスよりも高いとされている。特殊な用途として,厚手の強化ガラスを素材に使用し,2枚以上のガラスをはり合わせたものがあり,防弾ガラスや海中施設用に使用される。
執筆者:安井 至
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…フロート法によって製造した板ガラスをそれぞれの車種に応じた形状に切断した後,熱処理により曲面に成形した後,空気を両面に吹き付けて急冷し表面に圧縮応力層をつくったものが風冷強化ガラスである。2枚の板ガラスの間にポリビニルブチラールフィルムをはさみ込んだものが合せガラスであり,高級車・輸出用車のフロントガラスに使用されている。複層ガラスは,2枚の板ガラスを6~12mmの間隔を保って周辺をシールし,その間に乾燥空気と水分吸着剤を封入したもので,結露しないこと,断熱性が高いことなどの特徴をもっている。…
…拳銃弾,小銃弾などが当たっても破損しないようにつくられたガラスをいい,おもに2枚以上のガラスを合成樹脂のフィルムで接着した合せガラスが用いられる。1903年に考案された合せガラスは改良が加えられ,自動車用風防ガラスとして商品化される一方,航空機,装甲車用の防弾ガラスとして利用され,日本においても1932年に製造が開始されている。…
※「合せガラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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