日本歴史地名大系 「吉田南遺跡」の解説
吉田南遺跡
よしだみなみいせき
明石川下流域右岸の標高五―八メートルの沖積平野に位置する。遺跡の範囲は南北約一キロ・東西約五〇〇メートルに及ぶと推定されている。弥生時代後期に集落の形成が始まり鎌倉時代まで続く。奈良時代には官衙とみられる掘立柱建物群が営まれている。
昭和五一年(一九七六)から四年半にわたって発掘調査が行われた。詳細な発掘調査報告書は刊行されていないが、遺構のおもなものは弥生時代の円形竪穴住居跡六棟、古墳時代から飛鳥時代にかけての方形竪穴住居跡七八棟、飛鳥・奈良時代から鎌倉時代に属する掘立柱建物跡七六棟、井戸・柵列・溝・河川に架けられた木橋などである。竪穴住居跡は自然堤防上の北部・東部に立地するのに対して、掘立柱建物跡は北部・東部・西部地区全体に分布している。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報