デジタル大辞泉
「吾が」の意味・読み・例文・類語
あ‐が【×吾が】
[連語]《一人称の人代名詞「あ」+格助詞「が」》
1 《「が」は主格を表す》私が。
「一世にはふたたび見えぬ父母を置きてや長く―別れなむ」〈万・八九一〉
2 《「が」は連体格を表す》私の。
「白栲の―衣手を取り持ちて斎へ我が背子ただに逢ふまでに」〈万・三七七八〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あ‐が【吾が・我が】
- 〘 連語 〙 ( 代名詞「あ」に助詞「が」の付いたもの )
- ① ( 主格 ) 私が。自分が。
- [初出の実例]「一世には二遍(ふたたび)見えぬ父母を置きてや長く阿我(アガ)別れなむ」(出典:万葉集(8C後)五・八九一)
- ② ( 連体格 ) 私の。自分の。特に中古以後、相手の名まえなどの上に付けて、親しみの気持を表わす場合が多い。「あがきみ」「あが仏」など。
- [初出の実例]「八千矛の 神の命や 阿賀(アガ)大国主」(出典:古事記(712)上・歌謡)
- 「あがおもと、はやく導ききこえ給へ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
吾がの語誌
( 1 )上代では、「あ」は「わ、あれ、われ」とともに一人称の体言としての用法を保っており、「あが」はこれに助詞の「が」の付いたものとして考えることができる。
( 2 )上代において、②の連体格の場合、下に来る体言は「主(ぬし)、君、皇神(すめかみ)、愛者(はしもの)、児(こ)、身、胸、面(おも)、下心(したばへ)、恋、床(とこ)、馬、為」などであり、一方「わが」の下には、「夫(せ)、妹(いも)、母、名、命、盛(さかり)、世、畳、家、宿、門(かど)、園(その)、里、国、旅、船」などがきて、両者に使い分けが見られる。これを「あが」は単数的、孤独的、「わが」は複数的、一般的なものという相違として説く説がある。ただし、「衣手」のように両方に付く体言もあり、意味の違いについてはまだ定説がない。→あれ(吾・我)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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