( 1 )上代では、「あ」は「わ、あれ、われ」とともに一人称の体言としての用法を保っており、「あが」はこれに助詞の「が」の付いたものとして考えることができる。
( 2 )上代において、②の連体格の場合、下に来る体言は「主(ぬし)、君、皇神(すめかみ)、愛者(はしもの)、児(こ)、身、胸、面(おも)、下心(したばへ)、恋、床(とこ)、馬、為」などであり、一方「わが」の下には、「夫(せ)、妹(いも)、母、名、命、盛(さかり)、世、畳、家、宿、門(かど)、園(その)、里、国、旅、船」などがきて、両者に使い分けが見られる。これを「あが」は単数的、孤独的、「わが」は複数的、一般的なものという相違として説く説がある。ただし、「衣手」のように両方に付く体言もあり、意味の違いについてはまだ定説がない。→あれ(吾・我)
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