日本大百科全書(ニッポニカ) 「周波数計」の意味・わかりやすい解説
周波数計
しゅうはすうけい
frequency meter
電波から電力用交流までの周波数を測る計測器の総称。測ろうとする周波数によって種々の動作原理のものがある。商用周波数程度では振動片型、比率計型などの直読型の計器のほか、オシロスコープで観測画面上に図形を描かせ、その形から周波数を求めるリサジューの図形による方法、ストロボスコープ法などがある。また可聴周波数の範囲では、交流ブリッジによる方法、CR充放電型(コンデンサーと抵抗による放電)の周波数計などがある。さらに数メガヘルツ以上の高い周波数範囲になると、吸収型周波計が用いられ、さらにレッヘル線(平行二線路)波長計、周波数カウンターなども使われる。
[高尾利治]
振動片型周波数計
数百ヘルツ以下の交流周波数の測定に用いられる。固有振動数がわずかずつ異なった薄い鋼鉄製板ばね(振動片)を多数1列に並べて固定したものを、周波数を測ろうとする交流磁界の中に置くと、振動片のうち、測定波の周波数と等しい固有振動数のものだけが共振して激しく振動する。これを利用して周波数を測定する。
[高尾利治]
ストロボスコープ法
円周をm等分して明暗部を描いたストロボ円板を、同期電動機で毎秒N回転させ、これを測ろうとする周波数fヘルツの交流で点滅するネオン管で照明し、
が満足されると、ストロボ円板の図形が静止して見える。この現象を利用して周波数を測定する。
[高尾利治]
交流ブリッジ法
交流ブリッジの平衡条件には周波数が関係するものがある。それを利用して周波数を測定するもので、代表例としてキャンベルブリッジがある。
[高尾利治]