和達ベニオフ帯(読み)ワダチベニオフタイ

最新 地学事典 「和達ベニオフ帯」の解説

わだち・ベニオフたい
和達・ベニオフ帯

Wadati-Benioff zone

深さ数百kmに及ぶ地震の空間分布海溝から大陸側に向かって傾斜する薄い層をなす。この層のことで,深発地震帯(または深発地震面)とも。和達清夫(1927)によって存在が確かめられた深発地震は,1950年代にベニオフによってその分布が詳しく調べられた。ベニオフはこの傾斜する地震帯を大陸と大洋底境界逆断層によると考えた。その後,地球の内部構造や震源の決定精度が向上してくると,この地震帯が潜り込む大洋底スラブリソスフェア)の内部に位置すること,場所によっては厚さ30km程度の薄い二つの層(スラブの上面近くの層と中心近くの層)に分かれることがわかってきた(二重深発地震面)。地震面の形や傾斜角には地域性があり,例えば千島・日本列島では傾斜角が低角(約20~30°)であるのに対し,マリアナ諸島ではほぼ鉛直に近い。潜り込むスラブと周辺物質の力学的条件を反映していると考えられている。

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参照項目:二重深発地震面

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百科事典マイペディア 「和達ベニオフ帯」の意味・わかりやすい解説

和達=ベニオフ帯【わだちベニオフたい】

深発地震帯とも。海溝の軸部から島弧陸弧の下に向かって,深発地震の震源の深さがしだいに深くなることが知られており,この深発地震の震源の分布するところをさす。深発地震面と呼ばれることもあるが,深発地震の震源は面状ではなく層状に分布しており,帯と表現するのが適当である。名称は深発地震や深発地震帯を研究した和達清夫とベニオフの名にもとづく。詳細な研究によると,この地震帯は1層とは限らず,上下2層になっているところもある。また地表からの角度も数十度から垂直に近いものまで知られている。
→関連項目深発地震和達清夫

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世界大百科事典(旧版)内の和達ベニオフ帯の言及

【サブダクション帯】より

…二つのプレートの収束境界のうち一方が海底の場合に起こる。海溝から陸の下へ傾いた深発地震面として,1928年に和達清夫によって発見されたのが始まりで,54年にアメリカのベニオフHugo Benioffによって世界各地の例がまとめられたので和達=ベニオフ帯Wadati‐Benioff zoneまたは単にベニオフ帯ともいう。その後,地震の発震機構の研究から,硬い海底リソスフェアが海溝の下で折れ曲がり,陸の地殻とすれ合いながらマントル内深くへ沈み込んでいるようすが示された。…

【深発地震】より

…震源の深さが100kmを超えるような深い地震を一般に深発地震と呼ぶ場合が多いが,深さ60kmから300kmまでの地震を“やや深発地震”,300kmより深いものを深発地震と呼んで区別する場合もある。世界で最も深い地震は720km,日本付近では600km程度である。このような地球内部の深い場所に地震が実際に起こっていることを確証したのは,日本の地震学者和達清夫である。和達の研究によって,太平洋側から日本列島下に北西―西―南西方向へ傾斜する深発地震面が存在することが初めて明らかとなった。…

※「和達ベニオフ帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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