品治郷(読み)ほむちごう

日本歴史地名大系 「品治郷」の解説

品治郷
ほむちごう

和名抄」高山寺本・東急本ともに「品治」と記すが訓を欠く。郡名に従いホムチと読む。「福山志料」は「今ノ坊寺ナラント云」と注する。「日本地理志料」は品治国造の鎮する地で郡家の所在地とし、「日本紀通証」を引いて「備後国品治郡有坊寺村、以音呼之、蓋品治之転」とする。そして坊寺ぼうじ江良えら倉光くらみつ上山守かみやまもり・下山守・今岡いまおか中島なかしま万能倉まなぐらの諸村(現福山市)をあげる。「大日本地名辞書」は「今坊寺、江良、倉光、中島、万能倉の五村なるべし」とし、「福山志料」の「坊寺は享保年中まで法師といひ、即品治の訛なり」を論拠に引く。


品治郷
ほんじごう

「和名抄」諸本とも訓を欠く。郷名は垂仁天皇の皇子誉津別命の子代品治部に由来するとされる。延喜五年(九〇五)九月一〇日の東大寺領因幡国高庭庄坪付注進状案(東南院文書)末尾に署名している「税(頭カ)品治助益」は、当郷名を名乗る地方豪族で国衙官人であろう。「時範記」によれば、承徳三年(一〇九九)三月九日因幡国府(現国府町)に滞在中の国司平時範へ「品治郷司政茂」は引出物馬二匹を献じた。


品治郷
ほむちごう

「和名抄」高山寺本・東急本ともに「品治」と記すが訓を欠く。「芸藩通志」は「品治は今本地村あり」とし、「日本地理志料」は阿坂あざか(現山県郡豊平町)本地ほんじ今田いまだ石井谷いしいだに南方みなみかた木次きつぎの諸村(現同郡千代田町)にあてる。


品治郷
ほむちごう

「和名抄」刊本に「保無智」と訓ずる。「大和志」は「方廃王寺村存」として現北葛城郡王寺町王寺おうじ一―三丁目付近に比定

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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