唇亡びて歯寒し(読み)クチビルホロビテハサムシ

デジタル大辞泉 「唇亡びて歯寒し」の意味・読み・例文・類語

くちびるほろびてさむ

《「春秋左伝」僖公五年から》互いに助け合う関係にあるものの一方が滅びると、他の一方も危うくなるたとえ。唇亡歯寒しんぼうしかん
[類語]唇歯輔車しんしほしゃ輔車相依あいよ相即不離表裏一体うおと水車の両輪皮を引けば身が付く

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精選版 日本国語大辞典 「唇亡びて歯寒し」の意味・読み・例文・類語

くちびる【唇】=亡(ほろ)びて[=竭(つ)きて]歯(は)(さむ)

  1. 互いに助け合う関係にある者の一方が滅びると、他の一方の存在も危うくなることのたとえ。〔新撰字解(1872)〕〔春秋左伝‐僖公五年〕

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故事成語を知る辞典 「唇亡びて歯寒し」の解説

唇亡びて歯寒し

互いに助け合う関係にあるものの一方が滅びると、他の一方の存在も危うくなることのたとえ。

[使用例] やがてはお屋形様も美濃を追われ、弟君にその地位を奪われる憂目にお遭いなされましょう。古語にもござる、唇亡ンデ歯寒シ、と[司馬遼太郎国盗り物語|1963~66]

[由来] 古代中国でよく使われたことわざ。たとえば、「春秋左氏伝こう五年」には、次のような話があります。紀元前七世紀、大国しんが、かくという小国を攻めるため、という小国に、軍隊通過する許可を求めたことがありました。虞の君主はそれを受け入れようとしましたが、ある大臣は、「ことわざに『唇亡びて歯寒し(唇がなくなると、それに守られている歯は寒くなる)』というのは、虢と虞の関係のことです」と言い、虢がなくなると自分たちの安全がおびやかされることを心配して、反対しました。しかし、結局、虞の君主は晋の軍隊の通過を許し、やがて虢は滅ぼされてしまいます。そして、後には、虞も晋に滅ぼされることになったのでした。

〔異形〕唇つきて歯寒し/唇やぶれて歯寒し。

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ことわざを知る辞典 「唇亡びて歯寒し」の解説

唇亡びて歯寒し

互いに助け合う関係にあるものの一方が滅びると、他の一方の存在も危うくなることのたとえ。唇は歯を守るはたらきをしているところからいう。

[解説] 「春秋左伝―僖公五年」にあることば。

[類句] 唇つきて歯寒し

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