日本大百科全書(ニッポニカ) 「商丘」の意味・わかりやすい解説
商丘
しょうきゅう / シャンチウ
中国、河南(かなん)省商丘淮河(わいが)の支流澮河(かいが)上流の東沙(とうさ)河畔にある地級市。2市轄区、6県を管轄し、1県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口949万7000(2014)。隴海(ろうかい)線や京九線、山東(さんとう)省の済寧(さいねい)、菏沢(かたく)、安徽(あんき)省の蚌埠(ほうふ)などに通じる自動車道が通り、華北平原の交通の要所を占めている。黄河(こうが)流域ワタ作地帯の主産地をなすほか、小麦やコウリャン栽培も盛んで、重要な食糧生産地である。また、石炭の埋蔵量が豊富であることでも知られ、通柘(つうしゃ)炭田は河南省最大となる230億トンの埋蔵量を誇る(2016年時点)。
開発は古く、春秋時代には宋(そう)の国都が置かれ、明(みん)代に商丘県となり、1950年市が設けられた。中華人民共和国成立前までは、明・清(しん)時代の府名をとり、帰徳(きとく)ともよばれた。
[駒井正一・編集部 2017年12月12日]
世界遺産の登録
2014年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「中国大運河」の構成資産として、通済渠(つうせいきょ)の一部である商丘南関運河と商丘夏邑(かゆう)運河が世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。
[編集部 2017年12月12日]