商標制度(読み)しょうひょうせいど

知恵蔵 「商標制度」の解説

商標制度

事業者が特許庁商標を登録することで、その商標の独占的な使用権を得られるという制度。商標とは自他の商品・サービス(役務)を識別するためのトレードマークのこと。特許庁の審査を受け、登録が認められれば、商標所有者は「登録商標」として独占的に使用できる権利(商標権)を得られ、他者を排除できる。有効期限は10年間だが、更新は何度でも可能。ただし、出願・登録・更新には所定の手数料がかかる。
保護される商標は、文字、図形記号、またはこれらを組み合わせたもので、これに色彩結合した標章や立体的形状のものも含む。具体的には、社名、商品名、ロゴマーク、キャラクターの絵柄など。更に2015年4月の改正・商標法の施行によって、時間の経過に伴って変化する「動き商標」、見る角度によって変化して見える「ホログラム商標」、図形等との結合のない「色彩のみからなる商標 」、音楽・音声などの「音商標」、文字や図形を商品に付す位置が特定される「位置商標」が新たに加わった(施行規則)。
商標登録は、先に手続きを申請したものが優先される先願主義を採用しているが、他者の出願や登録済みの商標に異議がある場合は、特許庁に登録異議の申し立てや無効審判を請求できる。なお、登録済みの商標に類似しているもののほか国旗(外国含む)、菊花紋章、勲章公序良俗を害する恐れのあるものなども登録できない。また、新元号への改元を控えた19年1月、特許庁は新旧すべての元号について、新規に登録できないよう、商標審査基準を改訂した。

(大迫秀樹 フリー編集者)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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