悪態(あくたい)祭、押合い祭とも同じ心意の祭りで、祭りに喧嘩やいさかい、悪口(あっこう)を伴い、勝敗により神の意志を問う。兵庫県姫路市白浜町松原八幡(はちまん)神社の10月14、15日の例祭は「灘(なだ)のけんか祭り」として名高い。互いに神輿(みこし)を打ち合わせ勝負を争うことからこの名があるが、神輿の突き合わせは激しいほど神意にかなうという。こうした形で神威がいや増しに高められるとも考えられる。岐阜県関市倉知の鞍知(くらち)・白山神社の4月第3日曜日に行われる倉知まつりもかつてはけんか祭といわれ、2基の神輿が争い、勝ったほうが田植のとき用水を早く引けたという。大分県宇佐郡宇佐町の宇佐神宮の夏越(なごし)祭は、喧嘩祭ともオンバライともいわれ、神輿の先着争いをする。勝った村はその年五穀豊穣(ほうじょう)といい、敗れた村は凶作であるとする。11月から正月にかけて行われる愛知県奥三河の花祭は一名悪口(あっこう)祭といわれ、悪口の限りを尽くして言い負かした者に福が招来するという。
[萩原秀三郎]
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[神事・宝物]
中世には大小80余度の神事祭会があり,中でも放生会(ほうじようえ),行幸会は特殊神事として盛大に行われた。現在例祭は3月18日で,ほかに鎮疫祭(心経会)2月13日,御田植祭7月26日,神幸祭(夏越大祭,けんか祭)7月31日~8月2日,中秋祭(放生会)10月1~3日,春秋2度行われる致祭などがある。また奥宮大元神社(現,御許(おもと)山)の例大祭(春祭)は4月29日である。…
※「喧嘩祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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