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悪態祭(り) アクタイマツリ

デジタル大辞泉の解説

あくたい‐まつり【悪態祭(り)】

参詣人が悪口を言い合い、言い勝った者が福運を得るとされるり。悪口祭り。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

悪態祭
あくたいまつり

集まった群衆が互いに悪口を言い合うことが特徴の祭礼。悪口(あっこう)祭、悪たれ祭、喧嘩(けんか)祭などともいう。相手を言い負かせば幸運を得るとしたことに基づくらしいが、年頭の祭りに多く、もと年占(としうら)の意味が濃かったようである。現に、島根県安来(やすぎ)市の清水(きよみず)寺では、節分の夜参詣(さんけい)人同士が悪口を言い合い、「清水の喧嘩祭」と称され、相手に言い勝てばその年豊作になるとされた。京都祇園(ぎおん)・八坂神社の白朮(おけら)祭(白朮参り)をはじめ、栃木県足利(あしかが)市大岩町の毘沙門(びしゃもん)堂における悪態祭、茨城県笠間(かさま)市泉(いずみ)の愛宕(あたご)神社裏手にある飯綱(いづな)神社における悪態祭(あくていまち)など悪口の言い合いは激しかった。いったいに祭りの場では常の日と異なる挙措言動が目だつもので、悪口もその一種とみなされる。愛知県北設楽(きたしたら)郡東栄(とうえい)町、豊根(とよね)村、設楽町津具(つぐ)の花祭(国の重要無形民俗文化財)、長野県下伊那(しもいな)郡の遠山の霜月祭(国の重要無形民俗文化財)、岩手県平泉町毛越寺(もうつうじ)の延年(えんねん)(国の重要無形民俗文化財)などでも、見物人から演者に対して悪口が飛ばされる。ただし、各地とも悪口の意味が忘れられ、近来はかなり減少してきている。[竹田 旦]

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世界大百科事典内の悪態祭(り)の言及

【悪態】より

…他人の悪口を言うことは,広く各地の神社や寺院で行われる悪態祭・喧嘩祭などの祭りのほか,芸能や口承文芸の中に,多様な形でみられる。悪態は日本の文化や社会の構造に仕組まれた,秩序を維持するための装置(要素)の一つと考えられる。…

【岩間[町]】より

…茨城県中央部,西茨城郡の町。人口1万6615(1995)。町域の西端は八溝山地から続く丘陵で,東に台地が広がる。古くからの交通の要地で,古代には安居(あご)に安侯駅が設けられていた。中世は宍戸荘に属し,近世は土浦藩領,天領,旗本領に分かれ,下郷には土浦藩の陣屋が置かれた。米作に果樹,畜産を組み合わせた複合農業が進められている。また竹ぼうきや桐の産地としても知られる。桜の名所として有名な愛宕山の愛宕神社では旧暦11月14日夜に奇祭〈悪退祭〉が行われる。…

※「悪態祭(り)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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