嗉嚢(読み)ソノウ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「嗉嚢」の意味・わかりやすい解説

嗉嚢
そのう

動物の消化器のうち、食道の一部または食道に続く部分が膨らみを生じて、主として食物の一時的貯蔵の機能を果たす器官を嗉嚢と総称する。胃とは異なって消化酵素を分泌せず、多くの場合、組織学的には食道に類似する。環形動物(ゴカイ、ミミズ、ヒル)、軟体動物(頭足類、腹足類)、節足動物(昆虫類)、鳥類など、多くの動物門の多様な動物にある。このうちミツバチの嗉嚢は蜜(みつ)を蜂蜜(はちみつ)に変える一種の濾過(ろか)装置として働き、蜜胃ともよばれる。鳥類の嗉嚢は食道の中央やや下方に位置することが多い。とくにハトでは抱卵期の後半に雌雄とも嗉嚢側壁の嗉嚢腺(せん)上皮が肥厚し、雛(ひな)が孵化(ふか)してから約3週間以上にわたってこの上皮が剥離(はくり)し、それを雛に口移しで与える。これがいわゆる「ハトの乳」である。

[八杉貞雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「嗉嚢」の意味・わかりやすい解説

嗉嚢
そのう
crop

鳥類の消化管のうちの食道に続く膨出部。 嗉嚢は食物の一時的な貯蔵場所であり,消化は行わない。穀食性の鳥で最もよく発達していて,昆虫食の鳥ではこれを欠くものがある。また魚食性の鳥では臨時に膨張するものもある。昆虫類,貧毛類,腹足類にもある。

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