環形動物門の1綱Oligochaetaを構成する動物群。いわゆるミミズ類で、多毛綱、ヒル綱、ユムシ綱とともに環形動物門に含まれる。貧毛類の語は、多毛類に比べて剛毛が少ないということから名づけられたものであるが、形質の違いは剛毛の多少だけではなく、多毛類では剛毛がいぼ足から生じるのに対し、貧毛類では体壁から生じるという大きな違いがある。貧毛類の起源は不明なことが多いが、化石は古生代オルドビス紀から発見されている。おそらく多毛類のなかの一部に海から陸上生活に移った仲間があり、それらのなかから貧毛類の祖先が生じ、陸生だけでなく、ふたたび淡水・海水に適応したグループが現れてきたものと考えられる。
現在、世界から知られる貧毛類は約2800種あり、それらは原始貧毛類(原始生殖門目だけ)と真貧毛類(近生殖門目、前生殖門目、後生殖門目の三つの目を含む)に大別される。
(1)原始貧毛類Archioligochaetaには、アブラミミズ科Aeolosomaが含まれるだけである。
(2)真貧毛類Euoligochaetaには次にあげる14の科が含まれる。ミズミミズ科Naididae、オピストシスタ科Opistocystidae(南北アメリカに知られるだけ、日本には分布しない)、イトミミズ科Tubificidae、フレオドリルス科Phreodriloidae(南半球にのみ分布)、ヒメミミズ科Enchytraeidae(土壌線虫に似た乳白色の小形ミミズ、日本でも種類が多い)、オヨギミミズ科Lumbriculidae(イトミミズに似た水生ミミズ)、ヒルミミズ科Branchiobdellidae(ザリガニ類に寄生)、ナガミミズ科Haplotaxidae(地下水生のハラケナガミミズなど)、アリューロイデス科Alluroididae(日本にはいない)、ジュズイミミズ科Moniligastridae(ハッタミミズなど)、ヒモミミズ科Glossoscolecidae(ヒモミミズなど)、ツリミミズ科Lumbricidae(シマミミズなど)、フトミミズ科Megascolecidae、ユードリルス科Eudrilidae(日本には分布しない)。
[大野正男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
学◆Oligochaeta
環形動物門の一綱。いわゆるミミズの類。体は細長く,断面は円形,規則正しい環状の連続,体節制は内外とも明瞭。頭尾部の分化は不明瞭。体表には多毛類に比し少ない短い剛毛がある。現生は淡水生・陸生・泥生。化石にはほとんどないが,Protoscolex(オルドビス紀後期~シルル紀後期)はこの仲間で,石灰質膜が雄型として産出。しかも浅海~汽水生石灰岩中からの産出は注目される。移動摂食痕・居住痕などの生痕化石形成者。
執筆者:魚住 悟・小幡 喜一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
→ミミズ
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
… 環形動物は多毛綱,貧毛綱,ヒル綱,吸口虫綱の4綱に分けられるが,これらの綱の間の類似点は比較的少ない。環形動物の系統については多毛類が進化の主流であって,最初にユムシ類(ユムシ動物門)が別な方向に進化し,多毛類の一部のものが退化,または分化が止まって原始環虫類(多毛綱ムカシゴカイ目)となり,そして一部は淡水へ,さらに一部のものが陸上に生活の場を広げていって貧毛類になり,その一部がヒル類に進化したものと考えられる。吸口虫類は多毛類のあるものが棘皮(きよくひ)動物に寄生または共生して変形したものと考えられる。…
…貧毛綱Oligochaeta(貧毛類)に含まれる環形動物の総称。眼がないのでメミエズから転じた名といわれる。…
※「貧毛類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)1 人から受けた礼・贈り物に対して行為や品物で報いること。また、その行為や品物。「地酒を贈って返礼する」2 仕返しをすること。また、その仕返し。意趣返し。返報。[補説]書名別項。→返礼[...